- Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622072867
作品紹介・あらすじ
大学アカデミズムや人文主義者を中心としたルネサンス像に抗し、16世紀ヨーロッパの知の地殻変動を綿密に追う。『磁力と重力の発見』から4年、画期的書き下し。
感想・レビュー・書評
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この本の標題を見て本学との関係を疑われた方も多いだろう。しかし、筆者によればそれまで純粋な知的作業とみなされていなかった工学的学科を見直し、手仕事と機械的なるものにたいするポジティブな価値評価への転換を行ったのがヨーロッパにおける16世紀だったと評している。この16世紀の文化革命こそが理論的研究と実験的研究の結合を促し、ガリレオやニュートンに代表される17世紀の科学革命を引き起こす原動力となった。本学が提唱する「実工学」の源流が書かれた一冊であり、物理学者が捉えた「知の下克上」の克明な記録でもある 。
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「一六世紀文化革命 1」山本義隆著、みすず書房、2007.04.16
420p ¥3,360 C1040 (2021.11.30読了)(2007.06.16購入)
【目次】
序章 全体の展望
第一章 芸術家にはじまる
第二章 外科医の台頭と外科学の発展
第三章 解剖学・植物学の図像表現
第四章 鉱山業・冶金術・試金法
第五章 商業数学と一六世紀数学革命
注
☆関連図書(既読)
「磁力と重力の発見1 古代・中世」山本義隆著、みすず書房、2003.05.22
「磁力と重力の発見2 ルネサンス」山本義隆著、みすず書房、2003.05.22
「磁力と重力の発見3 近代の始まり」山本義隆著、みすず書房、2003.05.22
「福島の原発事故をめぐって」山本義隆著、みすず書房、2011.08.25
(「BOOK」データベースより)amazon
大学アカデミズムや人文主義者を中心としたルネサンス像に抗し、16世紀ヨーロッパの知の地殻変動を綿密に追う。『磁力と重力の発見』から4年、画期的書き下し。
(アマゾンより)
『磁力と重力の発見』から四年、待望の山本義隆・書き下ろし作品が出来上がった。大佛次郎賞受賞ほか絶賛を博した前作につづき、本書の主題は活版印刷の草創期、一六世紀ヨーロッパの科学と技術と芸術。大学アカデミズムや人文主義者を中心としたルネサンス観に対し、商人や技術者の実践に焦点をあてる。文書偏重から経験の重視へ、ラテン語から俗語による出版へ、教会による支配を中心に厳然たる差別構造があった時代に、いったい何が起こり、どのような結果を次の世紀にもたらしたか。綿密な文献を読み込み新たなルネサンス像を提示した本書は、われらの時代への批判でもある。全2巻同時刊行。 -
とにかくもう面白い。ケプラーやガリレイ、ニュートンらが活躍した17世紀科学革命より前、16世紀をあえて文化革命が起きた時代と定義する。それは中世的価値観を塗り替え、科学革命を準備する変革の時代であったことを資料から読み解き、驚きと興奮の事実を明らかにしている。印刷技術の発達が書籍に図説を挿入可能にし、それがスコラ哲学とラテン語の権威からの解放と手仕事による実証主義を後押したというのは痺れる。また、技術をギルド内で隠匿するのでなく、積極的に公開し多くの経験を共有化しようとするのは正に科学的姿勢そのものだ。
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1-1 科学論・科学史
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数量化革命と話題が被っていて焦点が当たっている所が違うので楽しく読めました。
医者の話が興味深かったです。
知識重視から経験を重視するようになって、また知識重視になっているんだろうか?