- Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622073512
作品紹介・あらすじ
レヴィ=ストロースが撮影したブラジル新興都市の街路に立ちこめる喪失と憧憬の感情。このサウダージの感触に導かれて、写真の謎を巡る思索は、人類学者の営みの根源へと至る輝かしき旅となる。
感想・レビュー・書評
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サンパウロの定点観測の面白さ。写真論。南北。歴史。旅。面白い本!
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クロード・レヴィ=ストロース・・・・その名前を口にするだけで世界中が凍ってしまう、じゃなかった、いつも胸キュンと神聖な気持ちになります。
今から思うと、単なる調査に基づいた文化人類学のレポートにすぎないはずの『悲しき熱帯』や『野生の思考』に、これほど私がメチャメチャ入れ込んじゃうなんて、自分自身でも思いもよりませんでした。
そのレヴィ=ストロースがまだ存命だったなんて全然知りませんでした。なんと昨年11月28日で100歳!おそらく世界最高齢の最高の知性ですね。
この本は1935年彼が27歳の頃、新設されたサンパウロ大学に招かれた時に、折しも先住民族が存続の危機に瀕しているのを目の当たりにして、ライカでその日常をスナップ写真に撮ったものを集めた1996年に出た写真集です。
<サウダージ>とは、あわれ、に似たようなポルトガル語だそうで、もうけっして見ることのできない、遠くはかない寂寥感を表すようです。
61年目にして刊行されたのは何故か?
ブラジル訪問から半世紀以上、彼は研究のために写真を撮ることを禁じているそうで、それは学者然として原住民を物のように採ることを良しとしなかったからだといいます。
もしかすると、この本も本当は出したくなかったのかも知れません。
★レヴィ=ストロースは、残念ながらこの年の10月30日に永眠されました。 -
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