- Amazon.co.jp ・本 (84ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622074878
作品紹介・あらすじ
「色相・明度・彩度」の三つのものさしで色を示す画期的なシステムの考案者が、理論と教授法を丁寧に説明した「マンセル表色系」の原典。世界規準の体系の基礎が根本からわかる、色彩学の最重要書。
感想・レビュー・書評
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デジタルで描く絵のように、日常でも葉っぱや花弁やコンクリート壁や人の服のある部分の色を調べられたら、これは色彩球体標本のここの色(色相、彩度、明度)ですよと調べることができ、記録できたら散歩がもう少し楽しくなるかもしれない。
最近売っている日本の服は、無印良品のように灰色の多く混ざった彩度の低い色が多いと思う。
花の花弁は、真っ白の明度彩度の高い花が多い。
萎れてくると、黄や茶色くなり灰色が混ざり彩度が下がる。
夕暮れの色合いは美しい、花の色は美しい、コンクリート壁の雨が垂れて染みのようになった色合いは美しい、上気した若い人の頬の赤みは美しい、それらの美しい色合いは色の付くもの(空、花弁、壁、顔)の上で美しく、他のものに美しい色合いだけ載せても、そのものと色合いが無関係であっても美しいのかは知らない。
装いは、服の形、服の組み合わせ、人の肉体、髪型、そして色合いと考える点が多くある。
色が美しくても花弁の形が大ぶりすぎて好きではなかったり、色はありきたりだけれど小ぶりで可愛い花弁がたくさん付いていることで好きになったり、色合いだけでなく形も影響して総合的な好き嫌いが生まれる。
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マンセル色相環で有名なマンセル。色彩を考える古典。
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色彩の基本となる色相・明度・彩度を取り上げた本。
色という概念について知るのに良い本だと感じた。
翻訳者が述べていたように前半部分はとてもイメージしやすく分かりやすかったが、後半へいくにつれて専門的な内容になっていき、難しく感じられた。そのため一回読むだけでなく、じっくりと何度も熟読することで勉強になる本だと思った。 -
「マンセル環」でおなじみのアルバート・H・マンセルによる色の表記の体系化、その解説。ボールを包むような手の形や皮をむいたミカンを引き合いに、色を体系化するという当時目新しい概念をできるだけ噛み砕いて説明しようとするマンセル氏の熱意が伝わってくる。Adobe Photoshopなどのソフトに慣れ親しんでいれば、色相・明度・彩度といった尺度はすでに自明のものだが、改めてその成り立ちに立ち返ってみる意味はあると思う。