私のもらった文学賞

  • みすず書房
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本棚登録 : 69
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622078463

作品紹介・あらすじ

小説『消去』(2004、小社刊)で日本の読者の度肝を抜き、多くのファンを獲得したオーストリアの作家トーマス・ベルンハルト(1931-1989)。文学界のグレン・グールドとも評されるまさしく孤高の作家が、総なめにしたグリルパルツァー賞やビュヒナー賞等ドイツ語圏の最高の文学賞受賞時の状況を綴った私小説風エッセーと、3編の受賞の辞。文学賞受賞の場をスキャンダルに変えその内幕を描いた、笑いと涙と感動がないまぜになった空前絶後の書である。

感想・レビュー・書評

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  • オールタイムベスト。

  • 読破したベルンハルト作品はこれが初めて。
    前に『消去』『破滅者』を読んでいたが、これらは途中で止まってる。(面白かったけど息切れしてしまった)
    本作はとにかく読みやすかった。 私含めてベルンハルト初心者はこの本から読んだら良いような気がする。

    内容は作者が貰った9つの文学賞についてのエッセイ。文学賞なんて貰いたかないけど、賞金が出るなら貰っとくか!と開き直る。賞金は治療費に、家に、車にと消えていく。
    何より良いのが作者の叔母の存在である。巻末によれば血の繋がらない叔母は彼をパトロンとして支えていたようだが、エッセイの中では も良くも悪くも破天荒な作者へのツッコミ役としてかなり大きい役割を担っている。私もこんな叔母欲しいなあ。

  • 文学

  • 友人が褒めていたので気になって。読書欲復活したかもとかいった矢先にポキッと折れたのでお口直しに丁度良い。
    なかなか面白かった。まあとにかくカネ、カネ、カネ。
    やっぱりどこの世界も作家は食い扶持に困るものなのね。本当はもらいたくなんてない賞なんだけど、お金のためにもらいます!という開き直りっぷりが見事。エピソードも本当か疑っちゃうくらいいろいろとあって楽しめた。

  • ベルンハルト節炸裂!『霜』はよ。

  • 早く「消去」を読まなきゃ、、、
    http://www.msz.co.jp/book/detail/04869.html
    http://www.msz.co.jp/book/detail/04870.html

    みすず書房のPR
    「ドイツ語圏の文学賞を総なめにした作家が受賞前後の様子を描いた、笑いと涙と感動がないまぜになった空前絶後の自伝的エッセイ集。」

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著者プロフィール

Thomas Bernhard, 1931-1989
20世紀オーストリアを代表する作家のひとり。
少年時代に、無名の作家であった祖父から決定的感化を受ける。音楽と演劇学を修めつつ創作をはじめ、1963年に発表した『凍』によってオーストリア国家賞を受賞。一躍文名を高める一方で、オーストリアへの挑発的言辞ゆえに衆目を集めた。
以後、『石灰工場』『古典絵画の巨匠たち』『消去』『座長ブルスコン』などの小説・劇作を数多く発表。1988年に初演された劇作『英雄広場(ヘルデンプラッツ)』でオーストリアのナチス性を弾劾するなど、その攻撃的姿勢は晩年までゆるがなかった。
1975年に発表された『原因』のあと、『地下』、本書『息』、『寒さ』、『ある子供』が続けて刊行され、自伝的五部作をなした。1989年、58歳で病死。

「2023年 『息 一つの決断』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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