いと高き貧しさ――修道院規則と生の形式

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622078531

作品紹介・あらすじ

もしも使用が所有と無関係で、法の外にある生活が可能だとしたら、どうだろう。世界的に注目を集めるイタリア人哲学者が清貧を貫いた修道者たちをホモ・サケル(法の外にある聖なる者)ととらえ、砂漠の聖者アントニオスからアウグスティヌス、アッシジのフランチェスコ、オッカムらの思想に、現代の大量消費社会を超える可能性を読む。異端裁判と背中合わせに生きた人々の言論に息をのむ。一番大事なことはイエスのような《貧しさ》であるとして所有権を拒否し、《生》の自立を求めた彼らの挑戦は、現代を生きる人々にも示唆に富んでいる。「ホモ・サケル」シリーズの一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 4/65
    『もしもふるまいや言葉において、生と規則が区別できないとしたら。そして物の使用が所有と無関係で、法の外にある生活が可能だとしたら、どうだろう。
    神的なものと人間的なものが織りなす修道院の規則は、教義や掟ではなく、生の次元に位置する体験であった。それは西洋の政治と倫理に影響を与えつづけてきたが、現代はその遺産を考察さえできないでいる。
    砂漠の聖者アントニオス。東西教会の代表的教父・バシレイオスとアウグスティヌス。アッシジのフランチェスコと後継の理論家たち。神秘家オリヴィ。イエスの〈貧しさ〉に従う修道者たちは、異端の疑いと背中合わせの中で、清貧の思想を鍛えぬいてきた。
    とりわけフランシスコ会の兄弟たちは、所有権を拒否するだけでなく、「いかなる権利ももたない権利」を掲げて、法の外で生きようとした。アガンベンは彼らの言論に、大量消費社会を超える可能性を見る。
    生きることがたんなる事実ではなく、生の可能性であるような生。国家という形態をとらない政治の可能性を考えるべく、アガンベンがかねて予告していた〈生のかたち〉、すなわち分離できないほど形式と固く結びつき、「生政治」に回収されない生を構築する探求が、ここに手がけられた。「ホモ・サケル」シリーズの一冊。』
    (「みすず書房」サイトより)

    原書名:『ALTISSIMA POVERTA』
    著者:ジョルジョ・アガンベン (Giorgio Agamben)
    訳者:上村 忠男 , 太田 綾子
    出版社 ‏: ‎みすず書房
    単行本 ‏: ‎256ページ

  • ルターは修道士だった。
    堕落した司祭の司式によるミサも有効。

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著者プロフィール

1942年生まれ。哲学者。マチェラータ大学、ヴェローナ大学、ヴェネツィア建築大学で教えた後、現在、ズヴィッツェラ・イタリアーナ大学メンドリジオ建築アカデミーで教鞭をとる。『ホモ・サケル』(以文社)、『例外状態』(未來社)、『スタシス』『王国と栄光』(共に青土社)、『アウシュヴィッツの残りのもの』(月曜社)、『いと高き貧しさ』『身体の使用』(共にみすず書房)など、著書多数。

「2019年 『オプス・デイ 任務の考古学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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