動くものはすべて殺せ――アメリカ兵はベトナムで何をしたか

  • みすず書房
4.39
  • (12)
  • (9)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 166
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622079170

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  ベトナム戦争で「アメリカ兵が何をしたのか」という「問い」の向こうに、アメリカが「ベトナムの農民たち」に何をしたのか、そして、戦場に駆り出された「アメリカの若者に」何をし、何をさせたのか、という問いがあることをまず思い出させてくれました。「ベトナムでアメリカが何をしたのか?」という問いです。
     答えは、この本を読めばわかるのではないでしょうか。「戦争」は「国家」による「人間」に対する犯罪であるという、端的な答えを手放してはいけないことをニック・タースの膨大な仕事が語っていると思いました。
     ブログに感想を書きました。よろしければ覗いてみてください。
       https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202106070000/
     

  • 淡々と、これでもかと続く、戦争犯罪。
    現場へのしわ寄せっぷり、そして、これらの情報の消されっぷり、組織の怖さとはこういうものかと思う。

    アメリカがどう思っているのか、どういう考えているのか、よく分かる。こういうものを相手にしていかなくては世界で生き残っていけない。

    びっくりしたのは、マスコミが「これ以上政権を叩くべきではない」という判断をしているくだり。これ以上政権を叩いて転覆させたら、よろしくないから、ということなのかな。
    日本では、思い切り、みんなが「飽きるまで」叩き続けるけれど…。アメリカと日本のマスコミの矜持が違うのかもしれないなぁ。

    ある程度は知っていたミライ事件が、これら戦争犯罪に光を当てると思いきや、隠すことにもなったという文章が戦争の背後にいる私たちの真の姿なのだろうと思った。

  • 映画「地獄の黙示録」や「プラトーン」で米軍がベトナムでどんなことをしてきたかだいたい知ってるつもりだったが本書のように文献をあげて実態を突きつけられると怒りを通り越して胸が悪くなる.

著者プロフィール

(Nick Turse)
ジャーナリスト、歴史学者。TomDispatch.comの編集長であり、ネイション・インスティテュートの特別研究員でもある。彼の手がけた記事は、ロサンゼルスタイムズ紙、サンフランシスコ・クロニクル紙、ネイション誌など、多くの紙誌に掲載されてきた。ベトナムにおける米軍の戦争犯罪を調査した業績を評価され、ライデナワー優秀報道賞を受賞。また、グッゲンハイム記念財団、ハーヴァード大学ラドクリフ高等研究所の助成金給付研究者にも選ばれた。現在はニューヨーク市近郊に在住。著書に、Tomorrow’s Battlefield: US Proxy Wars and Secret Ops in Africa (Haymarket Books, 2015) ほかがある。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

「2023年 『動くものはすべて殺せ 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ニック・タースの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×