知の広場【新装版】

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622086710

作品紹介・あらすじ

自宅からインターネットで情報検索ができる時代に、そして市民の3人に1人が高齢者となる社会に向かって、町の図書館はどんな場所になれるのだろうか?
司書歴30余年、数々の図書館リノベーションにたずさわってきた著者が、来館者数を大きく伸ばしたイタリアの市立〈ペーザロ図書館〉、ロンドンの移民地区に新設され人気を集める市立図書館〈アイデア・ストア〉での経験を軸に、これからの図書館が考えなくてはならないこと、実行できることを具体的に指し示す。
「屋根のある広場」のような図書館には、自然と市民が集まってくる!
口絵(カラー4頁、モノクロ8頁)では、世界的に評判の高い公共図書館のインテリアを写真で紹介。

感想・レビュー・書評

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  • 登録番号:142139、請求記号:010.1/A19

  • 現在の社会状況を振り返りつつ、公共図書館が知の公共基盤として機能するために、どのように図書館づくりを進めるべきか解説した図書。図書館を居心地よい空間にするための具体的な内容もある。最後には元千代田図書館の柳与志夫館長の解説もあり、図書館の最低ラインとして、住民の図書館サービスへのニーズを分析、優先順位をつけ、それに応じたサービスの開発と資源配分を行うことが図書館経営の最低ラインと示していた。また図書館が「知の広場」として真に機能するためには、図書館側のみの情報提供ではなく、各種の文化情報資源を使って新たな情報と知識を創造する場こそ図書館と視点を転換していくことが必要とあった。図書館が創造の場になれれば…

  • イタリアで図書館の改革に取り組んだ話。
    図書館は蔵書を貸し出すだけではなく、市民の知に関するサービスを提供するところ、ヨーロッパにおける広場のように人が集まる場になるべき、という提言。

    日本でも基本的には同じ考え方ができるのではと思う。巻末の解説も為になる。

  • 知の広場【新装版】――図書館と自由

    原題:LE PIAZZE DEL SAPERE: Biblioteche e liberta
    著者 Antonella Agnoli
    訳者 萱野有美
    解説 柳与志夫

    【版元】
    四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/256頁
    定価 3,672円(本体3,400円)
    ISBN 978-4-622-08671-0 C0000
    2017年12月7日発行

     自宅からインターネットで情報検索ができる時代に、そして市民の3人に1人が高齢者となる社会に向かって、町の図書館はどんな場所になれるのだろうか?
     司書歴30余年、数々の図書館リノベーションにたずさわってきた著者が、来館者数を大きく伸ばしたイタリアの市立〈ペーザロ図書館〉、ロンドンの移民地区に新設され人気を集める市立図書館〈アイデア・ストア〉での経験を軸に、これからの図書館が考えなくてはならないこと、実行できることを具体的に指し示す。
    「屋根のある広場」のような図書館には、自然と市民が集まってくる!
    [初版2011年5月10日発行]
    https://www.msz.co.jp/book/detail/08671.html


    【目次】
    新装版へのまえがき
    日本のみなさんへ
    はじめに

    〈第 I 部 図書館と町〉
    第1章  ここ30年間の状況
    1-1 近代化への試み
    1-2 読書――少数派の習慣
    1-3 図書館に行かない人についての調査
    1-4 シンボリックなバリケード
    1-5 新たなテクノロジーのインパクト
    1-6 蔵書目録
    1-7 大衆の個人主義

    第2章  2010‐2030年とはどのような時代か
    2-1 高齢化社会
    2-2 学校の危機
    2-3 知識経済学とは

    第3章  広場、ベンチ、図書館
    3-1 公共の空間に必要ないくつかのこと
    3-1-1 広さ
    3-1-2 レジビリティ
    3-1-3 多様性
    3-1-4 安全性
    3-1-5 快適さ
    3-1-6 出会いの場
    3-2 中立であること、平等であること、会話が交わされること

    〈第 II 部 小さなことに宿る神〉
    第4章  ロンドンとペーザロ
    4-1 ロンドン〈アイデア・ストア〉
    4-2 ぺーザロ〈サン・ジョヴァンニ図書館〉

    第5章  スーパーマーケットから学ぶ

    第6章  案内標識を撤去する

    第7章  邪魔な装備を取り払う

    第8章  適した場所を見つける

    第9章  ちょうどいい椅子を見つける

    第10章 フレキシブルな図書館に
    10-1 開館時間について
    10-2 古びてゆく職業
    10-3 図書館員の知と金箔職人の技
    10-4 「パーソナル・トレーナー」としての図書館員

    第11章 スカンピーアでムナーリを読む

    むすび

    17の忘れてはならないポイント


    参考文献
    謝辞
    解説――公共図書館を知の広場にするために(柳与志夫)

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著者プロフィール

ボローニャ在住。1977年ヴェネツィアの地方都市スピネアに子どものための図書館を開館させ、2000年まで館長を務める。2001年には、ペーザロ市の新しい図書館〈サン・ジョヴァンニ〉の館長としてその計画・実現にたずさわる。2009年からは、図書館計画のアドバイザーとして、ボローニャ〈サラ・ボルサ〉、グッビオ〈スペレッリアーナ〉、フィレンツェ〈オブラーテ〉、ピサ、チニゼッロ・バルサモなど、数多くの図書館と協働しており、ロンドンの〈アイデア・ストア〉では子ども部門を担当した。著書に『知の広場――図書館と自由』(ラテルツァ、2009年/邦訳みすず書房、2011年)『拝啓 市長さま、こんな図書館をつくりましょう』(ビブリオグラフィカ、2011年・2014年/邦訳みすず書房、2016年)。その他、図書館専門誌『今日の図書館(Biblioteca Oggi)』をはじめ、新聞『イル・マニフェスト』『ラ・レプッブリカ』、雑誌『アルファベータ 2』『イル・ムリーノ』へも寄稿している。

「2017年 『知の広場 新装版 図書館と自由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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