カントの生涯と学説【新装版】

  • みすず書房
0.00
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 25
感想 : 0
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622088073

作品紹介・あらすじ

カッシーラーの『カントの生涯と学説』は、初版(1918)以来数十年をへた現在もなお、最良のカント書のひとつである。カントの哲学思想とその生涯の全体がひとつに溶けあったその内容と文体は、明晰で深い洞察をしめしている。名匠の手によるこのカント把握によって、読者はカントの哲学および人間の理解へと導かれるであろう。
本書の最大の魅力は、論述の対象であるカント哲学の偉大さと、著者であるカッシーラーの思想とが見事な一致を示している点にある。本書執筆当時、カッシーラーの思想は転換期にあった。ひとつには第一次大戦に直面して、理性にもとづく現実認識の一面性を確信した彼は、それまでの新カント派的な発想をこえて、世界了解の前提となる想像力・感情・意志等々人間の豊かな精神の全体の学をめざしながら、カントの把え直しに向かっていたのである。〈全体が問題になっている〉カントとカッシーラーの親和力は、カントの雄大な体系的思索の頂点である『判断力批判』をめぐる本書の考察に、その結実をみることになる。『判断力批判』を人間の精神形態の十全な表現ととらえる著者の分析は、〈象徴形式〉へとつらなるであろう。ふたりの巨匠の出会いから成った第一級の古典的著作といえよう。

著者プロフィール

1874-1945。ドイツの哲学者。旧ドイツ領ブレスラウ(現ポーランド領ヴロツワフ)に生まれる。ヘルマン・コーエンの下でカント哲学を学び、マールブルク学派の一人に数えあげられるが、近代認識論史の大著である『近代の哲学と科学における認識問題』(1-3巻、1906-20、4巻、1950〔邦訳『認識問題』全4巻・5冊〕)や『実体概念と関数概念』(1910)で独自の立場を確立。ベルリン大学私講師をへて1919年新設ハンブルク大学教授に着任。さらに『シンボル形式の哲学』(1923-29)で言語・神話・宗教・芸術などを包括する文化哲学の体系をつくりあげた。1933年、ナチスの支配と同時に亡命を余儀なくされ、オクスフォードからスウェーデンをへて、1941年以後アメリカで活躍する。1945年4月、ニューヨークで歿。著書は他に『自由と形式』(1916)『カントの生涯と学説』(1918)『ルネサンス哲学における個と宇宙』(1927)『啓蒙主義の哲学』(1932)『現代物理学における決定論と非決定論』(1936)『人間』(1945)『国家と神話』(1946)などがあり、その多くが邦訳されている。

「2019年 『カントの生涯と学説 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

エルンスト・カッシーラーの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ミシェル・フーコ...
ウンベルト・エー...
カルロ・ロヴェッ...
ミヒャエル・エン...
ミシェル・フーコ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×