ゾルゲ伝――スターリンのマスター・エージェント (新資料が語るゾルゲ事件)

  • みすず書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622095484

作品紹介・あらすじ

スパイ小説の母国イギリス発、欧米でベストセラーになった稀代のスパイの伝記。英米独日露の新資料を駆使し、歴史とゾルゲの人間性に迫る。
ゾルゲは日本政府のどっちつかずの政策や、米国との戦争に向かう日本の非論理性に翻弄された。戦時下のロシアの情報戦の考え方や方法も描かれる。優秀な分析家、クールな嘘つき、自立した思想と世界観をもつ理想家ゾルゲは、各自が情報戦を生きる現代人にも刺激的だ。

感想・レビュー・書評

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  • 【詐欺師になることは、時に美点になることもあるのさ】(文中より引用)

    日本の権力中枢とつながる情報を入手し、バルバロッサ作戦や日本軍の南進を的確にソ連に報告したリヒャルト・ゾルゲ。「スターリンのマスター・エージェント」として知られた彼の生涯を綴った作品です。著者は、『ニューズウィーク』のモスクワ特派員も務めたオーウェン・マシューズ。訳者は、海外での研究歴も長い鈴木規夫と加藤哲郎。原題は、『An Impeccable Spy: Richard Sorge, Stalin's Master Agent』。

    一般的に「スパイ」と呼ばれる活動がどのようなものかを総体として感じ取る上でゾルゲのケースは大変参考になるんだろうと痛感した一冊。感情の揺らぎ一つとってもさまざまな影響を及ぼしていることが本書からは伝わってきますが、その心の奥深くまでをも活写した著者の力量に驚かされました。

    やっぱり日本での生活部分は興味深いことこの上なし☆5つ

  • 361.9||Ma

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著者プロフィール

(Owen Matthews)
祖父や大叔父がスターリンの粛清期を経験、また戦後冷戦期に恋愛を成就させた英国人の父とロシア人を母に、1971年ロンドンに生まれる。オックスフォード大学で近代史を学んだ後、ボスニアでジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせる。『モスクワ・タイムズ』『タイムズ』『スペクテイター』『インディペンデント』の各紙に寄稿している。1997年、『ニューズウィーク』誌のモスクワ特派員となり、第二次チェチェン紛争、アフガニスタン、イラク、東ウクライナの紛争を取材した。ロシア史に関する著者初の著書『スターリンの子供たち』(邦訳・白水社)は28か国語に翻訳され、「ガーディアン・ファースト・ブック」賞とフランスの「プリ・メディシス」の最終候補になった。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

「2023年 『ゾルゲ伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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