式子内親王私抄: 清冽・ほのかな美の世界

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著者 : 沓掛良彦
  • ミネルヴァ書房 (2011年11月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623060504

式子内親王私抄: 清冽・ほのかな美の世界の感想・レビュー・書評

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  •  父は豪奢をきわめた虚の美をもって血なまぐさい騒乱の世に対峙した傑物であった。多感な十代のほとんどすべての日々を神に捧げられた女として過ごした。広壮な御殿にあってもみずからを山の中の小さな草庵に住む者に擬し、暗い現実に背を向け、世界を固く閉ざして外界を遮断し、あらゆる翳りのなかに内向し、忍び、悲運に耐えつつその想いを白玉の歌に託した。

  • 著者がいかに式子内親王に傾倒して愛しているのか
    にじみ出ている本。

    外国文学を専攻された先生が書かれた本だが、
    実に良く先行の国文学専門書や論考にあたっておられる。

    おろそかにしない・きちんと読み込むっていうのは、
    このぐらいやっていなきゃダメよね…と尊敬のため息が出た。

    サッフォーなど西洋の女流に詳しく、和泉式部にも造詣が深い著者
    だけに式子への理解も深いですね。

    式子と山川登美子を比較されているところも、膝を打ちたくなる気持ち、

    私自身は,式子は、「両思い」の状態で誰かを愛していたのではなく

    「初めから、私はあのひとを愛せない。ほかの誰かであったとしても
    私とかりそめの睦言にでも比翼連理の誓をくれるひとはいない。」

    「私は、死ぬまでの時間を、生きなければならないと定められた
    孤独をのみ傍らに置くものだ。」

    という絶望と、同じだけの重さの

    「本当は、誰かと心を通わせたかった。しかしそれは夢幻の果て
    闇の惑いにのみ叶う、私の儚いひとりがたりなのだ。」

    という意識を持って詠歌に向かっておられた歌人だと思うので
    沓掛先生の式子像は、賛同するところが多かった。

    最新の式子にまつわる論考の一つとして
    大事にしたい1冊である。

    副題に全てが凝縮されている名著だった。

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式子内親王私抄: 清冽・ほのかな美の世界の作品紹介

新古今和歌集の代表的な女流歌人として知られ、優れた多くの歌を遺した式子内親王。艶麗でありながら清楚閑寂な歌風で、清冽でほのかな美の世界をつくりあげた。その式子に古今東西の女流歌人の研究で知られる著者が迫る、珠玉の式子内親王論。

式子内親王私抄: 清冽・ほのかな美の世界はこんな本です

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