発達障害がある人のナラティヴを聴く: 「あなた」の物語から学ぶ私たちのあり方
- ミネルヴァ書房 (2016年4月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784623076789
作品紹介・あらすじ
*本書を推薦します
森岡正芳氏(神戸大学名誉教授)
小さな声、つぶやきを聴き届ける
各章に登場する一人一人が際立って、語りはじめます。動き動かされつつ言葉をていねいに相手に伝える。これが対人援助の原型です。
発達障害者の支援の現場では,当事者自身の思いや生きにくさが理解されず,支援者の側の論理や枠組みが(自覚の無いままに)優先されていることが多い。本書は,当事者自身の生きている世界を理解するために必要なことについて考察する。また,詳細なインタビューの中で聴き取った多くの当事者の語りを紹介し,彼らとともに生きる私たちのあり方を問い直すための一助とする。
感想・レビュー・書評
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2階書架 : 369.28/YAM : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410167557
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・私が発達障害関連の本を読んで感じた違和感や福祉支援施設の職員の方とのコミニュケーションで感じた違和感が言葉にまとめられていて読んでいてすっきりした
・適切な振る舞いを身につける訓練等を受けていて感じた「今のままのあなたじゃダメ」という圧力に辛くなる気持ちを、この本に登場する人物や著者に受け止めてもらえて楽になった -
なかなか変わった本だったなという印象。
著者はとても誠実な人なんだと、文章からも分析からもよくわかるし、じわーと落ちるところがたくさんあった。
登場する当事者さんたちが、あーもうめんどくさいわーと思いながらも、
気持ちや行動は、すごくよくわかって共感しつつ、
そこに登場する支援者の言動は信じられなくて、
これが現実か、そこからか、とか思いながら、
著者の考察に救われるという感じ。
発達クラスタ向けというより、
発達クラスタに接する支援者むけの本のようです。
そこが、タイトルから期待したものとちょっと違って、
私は当事者へのなんらかの癒しがある内容かなと思ったので、ざんねんだったけど、
こういうふうに、ていねいにひろって、
言葉にして考えてくれる人もいるんだということは、癒しになりました。