複雑系を哲学する:〈生成〉からとらえた〈存在〉と〈認識〉 (小林道憲〈生命の哲学〉コレクション)

著者 :
  • ミネルヴァ書房
2.00
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  • Amazon.co.jp ・本 (466ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623077304

作品紹介・あらすじ

無数の要素の相互作用から自己自身を形成していく動的系を〈複雑系〉というとすれば、宇宙、物質、生命、社会、すべて複雑系である。二十一世紀の新しい科学の方向を指し示す〈複雑系の科学〉の存在論的・認識論的基礎づけ。絶えざる生成のうちにあり、常に新たな創造に向かっている自己形成的世界の存在論的、認識論的基礎を考えるには、存在を関係に、関係を生成に還元し、世界内認識の立場に立って主客分離の世界観を乗り越えねばならない。〈存在〉と〈認識〉を〈生成〉からとらえる生命哲学の展開。

感想・レビュー・書評

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  • 『複雑系の哲学―21世紀の科学への哲学入門』(2007年、麗澤大学出版会)と『続・複雑系の哲学―21世紀の科学への哲学入門』(2009年、麗澤大学出版会)のほか、3編の論考を収録しています。

    著者は、複雑系にかんする科学的研究を手がかりにしつつ、主客二元論の構図に依拠した従来の哲学を超える存在論および認識論の構想しています。とくに、「生成」および「創発」の発想を、ライプニッツやベルクソン、ホワイトヘッド、メルロ=ポンティ、西田幾多郎といった哲学者たちの思索に接続することで、自然科学における新たな動向の背後にあると考えられる哲学的な世界観を解明しようとする試みがなされています。

    ただ個人的には、「複雑系の哲学」というタイトルから予想されるような、ある程度自然科学の成果にそくした議論が展開されているわけではなく、ニューエイジ思想に類似した生命論的哲学がいささかナイーヴなしかたで語られているように感じられます。

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著者プロフィール

小林道憲(こばやし・みちのり)
1944(昭和19)年 福井県生まれ。
1972(昭和47)年、京都大学大学院文学研究科博士課程修了。
現在、福井大学教育地域科学部教授、
麗澤大学比較文明文化研究センター客員教授。
専攻は哲学・文明論。

主な著書
〈哲学研究〉
『ヘーゲル「精神現象学」の考察』『生命と宇宙』
『複雑系社会の倫理学』『宗教とはなにか』
『宗教をどう生きるか』『複雑系の哲学』
『生命の哲学—〈生きる〉とは何かということ』(人文書館)
〈現代文明論〉
『欲望の体制』『われわれにとって国家とは何か』
『近代主義を超えて』『20世紀を読む』
『二十世紀とは何であったか』
『不安な時代、そして文明の衰退』
『対論・文明のこころを問う』(共著)
〈比較文明論・日本研究〉
『古代探求』『古代日本海文明交流圏』
『文明の交流史観』等がある。

「2008年 『生命(いのち)の哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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