民主主義にとって政党とは何か:対立軸なき時代を考える (セミナー・知を究める)
- ミネルヴァ書房 (2018年7月2日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784623083596
作品紹介・あらすじ
政党は本来、社会の部分を代表しつつ、公益を追求する役割も担う。その分かりづらさから、政党は常に批判されてきたが、今日疑念はさらに強まっている。政党はもはや民主主義に不要なのか。本書は、利益配分政治が終焉を迎えた現在の日本に焦点を合わせ、この問いを改めて考える。
感想・レビュー・書評
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「私益」を追求する集団であった政党がどのような経緯で「公益」に資するようなになったかを欧米の歴史をたどりながら理解できるようになった。また、分配すべき「富」の枯渇から洋の東西を問わず、政党のあり方が問われていることも理解できた。
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分かりやすくて、面白い。個人的にはイデオロギーの説明がシンプルで好き。
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政党につき、欧米での起源と発展、理論、戦前から現在までの日本の状況、今後の展望と包括的に見る。
日本戦前の政党政治は軍部に抹殺された被害者、との描き方は「戦後につくられたストーリー」とのこと。また90年代以降の政治改革が執政面でも政党内でもトップダウンを強めた、との指摘は概ね通説どおりだろう。
終章で著者は、先進諸国共通の状況として、政党間の対立軸の喪失と各政党の安定した支持基盤の喪失を指摘。また、既成政党の国庫や特定の集団への依存、政党不信と直接民主主義志向、ポピュリスト政党を含む新党の台頭という3つの変化を挙げる。
利益配分の政治には否定的イメージがあるが、少なくとも政党と有権者を近づけるという(政党政治からするとプラスの)効果はあったと見てよいのだろうか。そのような政治がもはや成り立たなくなった現代での政党の役割を著者は問題提起している。 -
東2法経図・6F開架 315.1A/Ma16m//K