- Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
- / ISBN・EAN: 9784623091096
作品紹介・あらすじ
五五年体制下で保守・自民党に対抗して「革新」と呼ばれた左派政治勢力の実態はいかなるものだったのか。そして「革新」勢力の中心であった社会党・総評が政権交代を実現できなかった要因は何か。本書では社会党の消長をその支持基盤とともに分析し、さらに公明党・民社党の保守への接近、共産党の孤立など、戦後「革新」勢力の対立と分裂に至る構造的な問題を解明しつつ、安全保障や福祉政策での「革新」の役割についての通説を再検討する。
感想・レビュー・書評
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博論に加筆したものだそうだが、筆者が元新聞記者であるからか、素人にも大変読みやすかった。近時の「野党共闘」の行く末を占う上でも参考になる。
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社会党を軸とした戦後日本の革新勢力の帰趨。結論部で著者は、その役割を2点述べる。1点目は、「何でも反対」という一般イメージと異なり、福祉分野、また外交・安保でも非核三原則や軍国主義への反省など、自民党政権の政策に相当影響を及ぼしていたという。ただ本論部ではほぼ離合集散の政局史で、政策分析ではないため、結論部のこの点はやや浮いているように感じた。
2点目は、革新勢力が政権を取れなかった理由。著者は「歴史的転換失敗説」を上位に置く。マルクス・レーニン主義の信奉が現実化を妨げたというものだ。その一方で公明と民社は革新を離れていく。ただ著者は江田三郎には、「社公民」「中道左派」結集、社民主義勢力という僅かな可能性を見ていたようでもある。 -
東2法経図・6F開架:312.1A/O32s//K