ファシズムと文化 (世界史リブレット 78)

著者 :
  • 山川出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (90ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784634347809

作品紹介・あらすじ

二十世紀最大の歴史的事件はやはり第二次世界大戦であろう。結果は周知のごとく、連合国側の勝利に終わった。これは民主主義の勝利とファシズムの敗北を意味した。以後ファシズムは「負の表徴」として忌避されてきている。たしかに政治体制としてのファシズムは否定すべきイデオロギーであるが、いきおいその内部で発芽し、生育した文化までも否定する傾向にあった。このあたりでファシズムと文化の関係に改めて目をむける必要がありそうだ。これが本書執筆のモチヴェーションである。

感想・レビュー・書評

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  • とある小説を読んでいたところ、そのものズバリの単語は明記されていなかったものの「ファシズム」の黒々とした影を感じることがありました。言葉自体に負の印象を受けるファシズムとはそもそも何?という補完も兼ねて手に取りました。

    伊を筆頭に独日が続き、以降世界各国で発生した強力なファシズムの動き。本作では政治面の概要はそこそこに、タイトルが示す通りファシズムという政治思想が当時の芸術分野に与えた影響および因果関係が主となっています。
    芸術家のなかでも、体制を味方につけた者、体制へ反発した者など様々な立場がありました。この政治背景があったからこそ相乗効果として生まれた素晴らしい芸術もあると思うと皮肉にも感じます。
    肯定的にも否定的にも影響を与えた文化歴史を、概要として捉えた一冊。個人的にはもう少し踏み込んだ内容でも良かったかな。

  • 文化に宣伝効果を見出したファシストと
    旧態に反発する芸術家。
    この2者が手を結んだらどうなるか?
    ムッソリーニ独裁下の
    イタリアの芸術家と文化の状況の詳細。

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