- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784634491946
作品紹介・あらすじ
21世紀の歴史学はどうあるべきか。その答えを、その可能性を、古代ギリシアにさかのぼり、ペルシア戦争、ペロポネソス戦争を見据えた二人の歴史家と対話しながら考えていきたい。のちの歴史家たちが非難したようにヘロドトスはほんとうに「嘘つき」だったのか。史料批判において厳密だったといわれるトゥキュディデスは、ほんとうに「事実」だけを記録したのか。歴史叙述が歴史学へといたる端緒を探る。
感想・レビュー・書評
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Study Guides: Ancient Greek History
http://www.lit.kobe-u.ac.jp/~nsato/guides.html
《ヒストリア》23. ヘロドトスとトゥキュディデス | 山川出版社
https://www.yamakawa.co.jp/product/49194詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ずばり、良い本でした。桜井さんの本だから、やはり間違いなし。
結構細かくて専門的な内容を、さらりと分かりやすく書いてくれているので、さくさくと読み進められる。ただし、ヘロドトス『歴史』とトゥキュディデス『戦史』の内容を知っていないときついかもしれない。しかし、内容(あるいはペルシア戦争とペロポネソス戦争)を大凡知っていれば問題ない。
「歴史学(ヒストリエー)」という視点を強調しているため、「歴史学の父」としての二人の捉え方は非常に参考になるし、近年の研究動向もふまえられている。彼らがどのように分析し、「調査・探究(ヒストリエー)」しようとしたか、という、「歴史学」の意味の本源に戻る視点が貫かれている(19頁以下)。
個人的には、第6章「トゥキュディデスが書かなかったこと」が面白かった。トゥキュディデスの著作を取り上げながら、あえて彼が言及していないことについて著述するのはなかなか興味深い。
この章では、ヘルメス像損壊事件とケルキュラの内乱について書かれている。とりわけ前者はほとんど知らなかったし、密告者のあり方を通じた当時のアテナイ制度についての著者の分析が面白かった。この箇所については引用文を参照。 -
SM4a
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(後で書きます)
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