エチオピアのキリスト教思索の旅

著者 :
  • 山川出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784634640184

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  • キリスト教でありながらアーク=契約の箱がエルサレムからエチオピアに運ばれたという神話を持つというエチオピア。現在も年に一度のティムカットの祭りの日にだけ「契約の箱」の現物を見ることができる、なんとかしてそれを見に行くという著者の旅の様子が綴られている。同時にエチオピアの修道院やキリスト教遺跡なども巡り、詳細に語られる。犠牲の捧げものの遺跡、聖所で靴を脱ぐ、豚肉が禁忌などユダヤのタルムード整備以前にもさかのぼる律法や慣習が未だに残っているというのはかなり面白いなあと思った。ダビデのように契約の箱の前で舞い踊り、歌うのも素敵。一度生で聞いてみたいものだ。険しい山の中で、ユダヤ教とキリスト教の主要な流れから隔絶して存続してきたエチオピア教会。遺稿とのことだけど、こういうレポを読めたのは幸せだと思う。

  • まったく知らなかった「エチオピア正教」という教義について、魅力的な紀行と文化紹介を楽しみながら学ぶことができた。
    宗教の足跡をたどる紀行としても非常に興味深く、エチオピアという国に抱いていたわずかばかりの知見が大きく変わった。
    巻末の解説で本作が著者の遺稿と知る。
    こういう研究をして文章を発表し続けていた稀有な日本人がいたということをはじめて知った。

  • 最古のキリスト教国で、宗教画が面白いエチオピアの理解を深める。

  • 元ニコライ堂信徒、川又一英さんの遺作。
    エチオピアに関する情報は、「貧しい国」という情報が多い中、エチオピアの人達がどんな文化を持っているのかを知る一冊。
    エチオピアに根付いたキリスト教は、ユダヤ教の歴史を受け継いだ、本当の初代キリスト教だった。
    キリストを白人化してしまってる現代のキリスト教圏の人には、是非ルーツを知ってもらいたい。
    クリスチャンのみならず、自分の在り方を根底から考えさせられる、スピリチュアルな一冊。

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