森へ行く日

著者 :
  • 山と渓谷社
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本棚登録 : 95
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635080057

感想・レビュー・書評

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  • 前書きの「人生には森が必要」というタイトルに惹かれて読んでみました。

    恥ずかしながら著者のお名前は本書で初めて知りました。
    文章からは、若い頃からスーツを着こなし都会でバリバリと仕事をされていたという印象を受けます。
    そんな著者が初めてトレッキングシューズを履き、森に出かけるようになったのは50歳を過ぎてから。
    著者がなぜ森に惹かれるのか、その理由を自身の体験を語ることで読者に伝えてくれます。

    森の中で澄んだ空気を吸いこみ、目に映るものに心を動かし、普段の生活で知らず知らず背負いこんでいた重荷を落としていく。
    適度な爽快感と疲労感を感じる身体に、美味しいごはんとおやつ、それからビールに温泉を!

    読了後、早速山に行きたい衝動に駆られています。
    コラムに掲載されていた森Booksもいろいろ読んでみたい!

  • 図書館で2回借りました。
    冒頭で御嶽山のロックガーデンが出てたので、御岳山の宿坊に泊まった事もあり身近なので、面白く読めました。
    結局ロックガーデンには行かなかったけど!

    でも森はいいよね。

  • 東京近郊と少し遠出した温泉地などにある自然園や山道、ウォーキングトレイルなどを紹介。著者の思い出や宿泊した宿の話なども含まれるので、山や森のガチなガイドというよりも、ちょっとした旅エッセイに近い。

    森というにはわりと「山」だけど…というところも紹介されているけれど、ピークハントせずに歩くことを楽しむのがメインだから「森」なのかな。

  • 森へ行きたくなる日がある。里山が実家の私は恵まれている。夏には蛙の声が、嵐の前には静かな川の水の音が聞こえる。それでも森に行きたくてもいけないのは、危ないところだ、という認識があるからだ。幼い時の記憶にある夜の静けさは、何かが潜むようで、何もいないようで、恐ろしいという先入観がある。でも趣味の寺社仏閣巡りに行くと、静寂に包まれた境内や参道に足を運ばずにはいられないのは、森に行きたいからなのかもしれない。
    私はバリバリのキャリアウーマンでもなければ、パンプスを履き潰したこともない。この著者のように立派に身を立てているわけでもない。でも、だからこそ、誰もいない生き物に溢れた場所に行きたいのだ。自分も数あるいのちのひとつだと認識したい。童心に戻りたい。ほっと肩の荷を下ろしたい。リフレッシュしたい。理由はなんでも良いのかもしれない。そんな気持ちを導いてくれる一冊。
    前半は都心から日帰りで行ける遊歩道、ハイキング・トレッキングコースを紹介しながら、後半は静岡・群馬・長野のおすすめの場所を紹介しれくれている。それに初心者向けにさらっと森へ行くときの準備、楽しみも簡単に挙げられているから、さらっと挑戦してみることもできるかもしれない。元気になったら森へ行ってみよう、そんな気持ちにさせてくれる良書。

  • 写真も装丁も素敵な本。登山は少しハードルが高いけれど、紹介されているコースはこれならチャレンジできるかなと思えました。人はたまには自然に身を浸したほうがいいですよね。山ガールにはなれなかったけど、山マダムならまだまだ目指せるかも知れません。

  • 写真と文でつづる全国のトレイルコース。トレッキングというほどでもないお散歩コースも、ちょっと登山気分になれるコースも、いろいろあり。
    どこかに出かけたくなる。

  • 元来混沌とした世界をどう切り取り、区画分けし、秩序づけるか。不安定極まりない人間関係に安定を持ち込むためにいかにして人間を類型にはめ込むか。まあそこらへんは各人各様、筆者は気候によって育まれた性質という本質主義を持ち込むことで問題の解決をはかったようす。その本質主義にも気候主義にも同意はしかねるけれど、森の中で感じる癒やしと浄化の感覚みたいなのはよくわかる。社会のなかで対人関係や仕事、趣味といったかたちで自分を中心にして形成される社会的な身体を一定部分脱ぎ捨てて、一見死と再生の途切れ目のわからない“自然”の風景のなかに自分自身を位置づけ、想像の中で同化させてみせること。そこにひとつの安らぎがあるのは事実。そのためにはまた物理的な専用装備が必要になりがちというのが微妙なところでもあるけれど・・・。本書のなかに登場する森の風景や草花の近影にもそのような魅力が感じられてちょっと引き込まれる。

  • 東京暮らしでも行ける深い森があることを教えてくれる。
    山登りでなくても、森でも十分自然を感じられるとわかる本。
    森に行くきっかけや、自然への尊敬の気持ちが、静かに書かれていて好感がもてる。あと、女性一人でもいけそうなところが紹介されているので、その点も使える本だと思う。

  • 森を感じる...木々の言葉に耳を澄ます
    そんな時間を欲している

  • 和製モネの庭のような表紙の写真に心を奪われて購入。
    でかけたい熱は多分に現実逃避の要素が強いのだと思うも、
    ここは季節を言い訳にしておくことにする。

    また歩いてみたい場所が増えた。
    白丸湖のエメラルドグリーンの水辺を見てみたい。
    高尾山の春夏秋冬をすべて体感してみたい。
    秋には武尊田代のブナの森の中を歩いてみたい。

    これからも何度もこの本を手にとり、
    まだ見知しぬ地に想いを馳せることになると思う。

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著者プロフィール

作家・エッセイスト。東京生まれ。小池一子氏に師事した後、女性誌編集者を経て、イタリア・ミラノに在住。帰国後、執筆活動を始める。1994年のデビュー作『おしゃれの視線』(婦人画報社)がベストセラーに。主な著書に『おしゃれのベーシック』(文春文庫)、『実りの庭』(文藝春秋)、『感じるからだ』(だいわ文庫)、『おしゃれの幸福論』(KADOKAWA)などがある。2008年より五感をひらく時空間をテーマにしたイベント『桃の庭』を主宰。

「2018年 『これからの私をつくる 29の美しいこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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