- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635140072
作品紹介・あらすじ
凍傷で壊死した指を切る医者のやるせなさ。「もっと自分の手足を大事にしろよ」800例の凍傷患者を診た臨床医の切実な言葉だった。本書は、患者の心理に言及しながら、凍傷の最近の治療法まで綴った、「感謝されない医者」の独白である。
感想・レビュー・書評
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とある縁で金田先生のことを知り、酒宴に同席させていただいたことがある。また昨年のヒマラヤ高所登山で高山病に罹った山岳会メンバーの病状について深夜に衛生電話をかけてアドバイスをもらったこともある。凍傷の第一人者であり山岳医療に於いても知らない人はいないほどのすごい先生と知りながら、ついに直接お話させてもらうことなくお亡くなりになってしまった。身近にいながら本当にもったいないことをしたと悔やみつつ遅ればせながら本書を手に取った。
「感謝されない医者」
タイトルから何となくもの悲しく少し暗い感じがするが、自叙伝でもある前半は救急医療の壮絶さとユーモアに溢れる様々なエピソードが綴られており、あらためて先生の偉大さを認識させられる。
後半は凍傷治療により手または足、あるいはその両方を切断した方々の話。山をやってる人なら知ってる超有名人が並んでいて、再度先生は凄い人だったんだと思い知らされる。
最後は凍傷について。山登りをする人が押さえておくべき必要十分なポイントが簡潔にまとめられており、シンプルでとても分かりやすい。
凍傷含め山岳医療のパイオニアとして活躍され山岳界を支えられてこられたこと、意思を継ぐ人たちを育てられたこと、山に関わるものとしてこんなに心強いことはない。山岳医療の今があるのは先生のおかげです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
凍傷はストレスを受けている人のほうが受傷率が高い。
凍傷になりやすい体質はない。
中指、薬指、小指がなりやすい。
登山靴が進歩したため、足は少なくなった。
脱水の影響が大きい。
凍傷患者は再び凍傷になりやすい。
冬山の行動を短くする。6時間と10時間では発生率に違いがある。
水分摂取。暖かい飲み物は凍傷予防の薬。
首筋を暖める。=第七頚椎横の星状神経節を温める。
袖と手袋の間に注意。
部分的な注意だけでなく、身体全体を暖める。
寒さに慣れる。