1冊でわかるポケット教養シリーズ 吉松 隆の 調性で読み解くクラシック

著者 :
  • ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784636909302

感想・レビュー・書評

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  • 「ポケット教養シリーズ」と銘打ってあるのでズバっと分かる素人向きのものかなと思ったけど、そうは問屋は降ろさないみたいだ。なんとなく分ったし、調性ごとの性格や名曲が紹介してあるのは役に立つ(ような気がする)。でもなあ、ピタゴラス音律と純正律と平均律あたりのことは、まだまだ腑に落ちない。バッハは平均律を使っていたとあるけれど、なんかの本で実はそうではないと書いてあったがなあ。バッハのあの名曲は「平均律」ではなくて、「よく調律された」ということらしいのだが。楽器をやっていれば、もっとよく分かったんだろうか。それもピアノ以外で。

  • クラシックを聴き始めたのでお勉強と思い読み始めたが、私には難しかった。

  • クラシック音楽をきちんと勉強する意味でタメになる本。音楽を世界構築と関連付けた西洋と比べ、東洋はそれ自体が世界として音楽が存在する。とても面白かった。

  • 音楽って不思議

  • 「調性で読み解くクラシック」吉松隆
    クラシック解説。特になし。

    最近アンサンブルの編曲(というかオーケストレーションか)にはまっていて、ブラスバンドの名曲、カンタベリーコラール がなぜ D♭durなのか?と思ったところから読んでみた一冊。

    本全体に書いてある知識はそれぞれ知ってたりしたことも多かったが、総論としてクラシック曲を調性から論じるという観点で勉強になった。
    〔楽器吹きとしては、例えばB♭管にとってE♭durとDdurはどう、とか言うのはよくある)

    面白かったのは、対位法の完成から和声法への拡張、20世紀前半に調性音楽の完成を見たのち、その後の現代音楽・無調の時代で西洋クラシック音楽の進化は終焉を迎えた、とバッサリ言っていること。
    音楽学の世界では常識なのかもしれないけど、いざそう聞くと、バッハから始まってハイドン・モーツァルト・ベートーベン・ベルリオーズ・ラヴェル・ストラヴィンスキあたりまでを有難がって聞いていることに我ながら「狭いなぁ〜」って思ってしまう。
    でもねえ、やっぱメシアンでもうダメだったんですよ。笑

    最初の話、結論は出なかったんだけど、教会音楽がC調のオルガンで演奏されることを考えるとB♭調のブラスバンドでのD♭durがE♭に相当し、E♭は少しくすむが英雄の調、祝祭的な響きと。単純に移調して当てはまることはなかろうが、確かにB♭管にとっては音程の下がるD♭、G♭を持っているがそのぶん緊張感と厳かな曲調に合う。
    というかそもそも曲の盛り上がりに伴って下属調転調を7回(!)くらい繰り返すので、レンジからもそうなったんだろうな。

    良い本でした。
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  • クラシック音楽は、通常「変ロ短調」とか「ホ長調」とかいう記号つきで呼ばれることが多いですね。

    この本は、楽典の基礎から解きほぐしつつ、その調性がいかにして作曲家に選ばれ、調性によって響きがどう違うのかを教えてくれます。

    というより、

    ・そもそも「ハモる」とは?
    ・そもそも音程とは? または音階とは?(なんで十二音なの?)
    ・そもそも調性に固有の雰囲気というものはあるのか?

    などなど、今さら人に訊けない調性のヒミツを明らかにし、楽曲の深み・面白みにひと味を加えてくれるわけですね。

    若干情緒的な説明もあるけど、面白い本です。

  • 最初は易しいが後半は難解で、読書中断

  • 音楽の「調」について何となく詳しくなった気になれる一冊。
    歴史だけでなく、楽器別紹介、代表曲なども載っているのでオーケストラや吹奏楽をはじめたばかりの人には選曲も参考になるかも。

  • コンチェルトを弾くにあたって、(今更だけど)調性の共通イメージをちゃんと知りたいと思って、レッスン前に急いで購入。作曲家目線で、楽器の特性とか歴史とか日本の雅楽のことまで広く書かれていて、知らないことばかりで、勉強になった。
    でも、一番知りたかった、調性の共通イメージに関しては、とてもあいまいで、わが師匠や某巨匠に教えていただいた以上のことは載っていなくて、残念だった。
    ひとつだけ、R=コルサコフの色聴の記載が参考にはなった。それでネットで調べたけれど、不思議なことに、R=コルサコフの色聴をいくら探しても出てこない…これは、別の本にあたりをつけたので、そこでまた勉強しないと。

  • クラシック音楽は好きだが、絶対音感がないせいもあり、調による違いというのが今ひとつよく分からない。だからか、この種の本を読みたくなるのだが、読んだだけではやはり分からなかった。それでも、調性の歴史など結構詳しく書かれていて、楽器ごとの得意な調についても初めて知ることが多く、ためになった。もう少し詳しい楽典の本、でも専門書でないものが読みたい。

著者プロフィール

1953年(昭和28年)東京生まれ。作曲家。慶應義塾大学工学部を中退後、一時松村禎三に師事したほかはロックやジャズのグループに参加しながら独学で作曲を学ぶ。1981年に「朱鷺によせる哀歌」でデビュー。以後いわゆる「現代音楽」の非音楽的な傾向に異を唱え、調性やメロディを復活させた「新(世紀末)抒情主義」および「現代音楽撲滅運動」を主唱、交響曲5曲や協奏曲10曲を始めとするオーケストラ作品を中心に、〈鳥のシリーズ〉などの室内楽作品、〈プレイアデス舞曲集〉などのピアノ作品のほか、ギター作品、邦楽作品、舞台作品など数多くの作品を発表する。その作品は国内および海外で数多くCD化され、1998年からはイギリスのシャンドス(Chandos)とレジデント・コンポーザーの契約を結び全オーケストラ作品が録音されるなど、クラシックというジャンルを越えた幅広いファンの支持を得ている。

「2015年 『虹色プリズムII 2台ピアノのための』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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