- Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
- / ISBN・EAN: 9784641049994
作品紹介・あらすじ
一九七二年の沖縄返還は、五二年の旧日米安保条約の発効と、六〇年の安保改定に続く、日米安全保障体制確立の第三の重要局面であった。返還とともに沖縄は、日米安保体制に包摂され、交渉で決定されたさまざまな合意事項は、東アジアにおいて日米同盟が果たす役割を定め、それは現在にも引き継がれている。本書は、沖縄返還をめぐる対米交渉の過程を、(1)沖縄の早期返還を検討の俎上に載せるための交渉、(2)施政権返還の合意のための交渉、(3)沖縄返還協定の作成をめぐる交渉という三段階に分け、各段階におけるそれぞれの行為主体の意図や論点の推移に着目して、解説する。交渉の過程で見られた、外務省と佐藤榮作首相のバック・チャネルという二つの交渉ルートの相互関係を、日米の公文書、日記・回想録、そして当事者・関係者へのインタビューなどの豊富な史資料をもとに分析し、沖縄返還交渉の全体像に迫る。
感想・レビュー・書評
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東2法経図・6F開架:319.1A/N42o//K
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沖縄返還がテーマになってから実際に返還されるまでの過程を、これでもか!と言わんばかりに文献を洗い、時系列にまとめられたもの。いわゆる専門書にはなり、時代に対するおおよその前知識は求められるものの、非常に読み易い本であった。
官僚と政治家が一緒になって交渉を進めていくその戦略や大きく意見が異なる時の動きなど、非常に参考になる部分も多い。あまり表に出てくる話ではないが、彼らの実務の流れを垣間見ることのできる貴重な資料だと思う。 -
沖縄返還までの交渉過程が記されている。
沖縄返還を筆者は、日本政府が戦後はじめてアジア太平洋の安全保障に関与した事例と位置付けている。 -
日経新聞 2013年2月24日 書評。
「本書の特徴は沖縄返還を1952年の日米安保条約の発効、60年の条約改定に次ぐ日米安保体制の完成に向けた最後のステップと位置付けたことだ。」