本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
- / ISBN・EAN: 9784641076648
感想・レビュー・書評
-
主に日韓関係が軋轢と協力を繰り返してきた歴史を、アメリカという変数を加えることで、「なぜ、常に反目(過去のできごとによる反感)があったにも関わらず協力するのか」と問うてみせる。
ここでは、感情的な反目が日韓関係に強く作用してきたことを認めながらも「擬似同盟モデル」を使用して日米韓三国における「見捨てられ」の懸念と「巻き込まれ」の懸念を利用してその原因を分析する。
非常に明快でわかりやすく、納得できる議論である。また、日本と韓国どちらからもある程度の距離を置くことで冷静な議論になっている。そのため反感を感じずに読むことができるのは非常に大きい。
最後に、統一韓国と日本の関係の予想においても一般的に考えられているのとはまったく違う独自の見解を見せてくれる。
結局、日韓関係においてもっとも大きな要因の一つとして考えられている「反目」がいかに強かろうと、決してそれは国のあり方、両国間の関係のありかたにおいて決定的な要因ではないと結論付けている。
順を追って細かく、そして首相や大統領の時代ごとに出来事と分析が書かれているため日韓関係史の研究にも十分に使える。
詳細をみるコメント0件をすべて表示