- Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
- / ISBN・EAN: 9784641163003
作品紹介・あらすじ
日本型企業経営の歴史的形成過程を探りながら江戸から平成までをいきいきと描く通史型テキストのスタンダード。
感想・レビュー・書評
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そう簡単にすぅっと入り込むことはできなかった。
歴史の時間ほどにそのストリーがある分けですから。
それにしても、イメージがつかめないと理解が進まないものである。
が、ある意味では、経営という視点の深さを測る一冊にはなると考える。
さて、現代史においては、やはり理解が進む部分もあり、
今後の日本の在り方についての視点を抜粋しておきたい。
○事業会社がエクイティ・ファイナンスのノウハウを身に着けることが重要
○金融無事ネスの改革を進め、1)国際競争力を持つユニバーサル・バンクと、2)きめ細やかなモニタリング能力を発揮する優良地方銀行という、2本柱を確立すること
○製造業が、高付加価値化と結び付けて、国際分業を深化させること
○製造業とサービス業との新たな結合を実現すること
○市場に潜在する民需を潜在化させるサービス・ビジネスや流通ビジネスを開拓すること
霧が晴れたようにピンとくるということはないが、理解ができる方向性である。
では、どうやるか?
これにつながることをしたいものである。。。
が、ここでは・・・・
WHATとHOW・・・
それはいずれもがあってカタチになるものであるが、WHATがなければHOWはないわけであるから、その方向性を見極めることをしたいものである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本の経営史について学ぶことが出来た。
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江戸時代から21世紀へ、というサブタイトルどおりの日本経営史。
本書の特徴の一つは、戦後の飛躍的な経済成長について、環境や政策をあくまでも補完的なものと位置づけ、自らリスクをとって投資した企業を主体に据えている点である。
初版まえがきにあるとおり本書の問題意識である(評者の問題意識でもある)「日本的経営とは」について、個々の筆者によるもう少し突っ込んだ説明なり意見があっても良いと思う。また時折顔をのぞかせる取引コスト、市場と組織の観点による分析ももう少し書いて欲しいところだが、それらは本書を取っ掛かりに豊富な参考文献を参照して自分で調べ考えよ、という教育的配慮なのであろう。
エピローグで、これからの日本企業再生に「事業会社が、エクイティ・ファイナンスのノウハウを身につけること」が挙げられているのはご愛嬌。
『「就社」社会の誕生』に挑戦するなら、こちらを先に読んでおくと理解が深まると思う。 -
近世から明治大正昭和を通じて現代までの日本の企業や政府の政策や景気などの様々な点から『日本経営史』を描いています。しかしそれがどうにも冗長な構成。章によって「松方デフレ」「第一次大戦による債権国化」「会社制度の発展」というマクロな視点から、その当時の会社の企業件数&倒産件数や高額所得者の数といったミクロすぎるデータなど着目点が4人の著書によってばらばらで貫徹した背骨がないのがこの本の駄目なところです。例えば総合商社の成り立ちが載っていても、その後の推移などは飛び飛びでしか描かれていません。しかしいいところもあります。経営学というと製造業や情報通信業などの統計的に数値化しやすい業種を研究対象にするきらいがありますが、流通業や小売業までも部分的に描かれているのはまだ他の著書よりも優れていると思います。
日本の経営の流れをつかむ程度ならいいと思いますが、これでレポートや論文はきついです。