神仏と中世人 (歴史文化ライブラリー)

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  • 吉川弘文館
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784642058919

作品紹介・あらすじ

中世人は富や健康、呪咀の願望成就を求め、寺社は期待に応えて祈りを提供した。人々は神仏にいかに依存し、どう利用したか。社会に広がる祈りにまつわる情報網、僧侶による宗教暴力の正当化、民衆支配のための政治と宗教の連動などを探り、祈り観にみる世俗と宗教界のズレや、人々と神仏の関係を解明。現代の「無宗教」を考える手掛りを提示する。

感想・レビュー・書評

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  • 中世においてどのように神仏は信仰されて来たのか。
    とりわけ1145年にハレー彗星が観測され、不吉な天文現象を避けるために
    ハレー彗星を消す祈りが捧げられた話は現代の人にとっては滑稽な話かもしれないが、彼らなら彗星をも変えられるかもしれないと当時の人間が考えていたわけで
    当時の人間にとって寺院勢力は強大なものとして写っていたことの証左である。
    とても興味深い内容だった

  • 中世─平安から鎌倉時代の日本人が神仏とどう向き合い、どのように祈りを行っていたのかを豊富な資料から読み解く。私はこの時代の人間はそれこそ神仏や御霊に縛られて生きていたと思っていたのだが、中にはまったく気にしない傑物や、支配や生活のため社会装置として上手に利用していたらしい有様が伺え、見方を改めることとなった。思っていた以上にしたたかな中世人であった。

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著者プロフィール

1971年,京都府生まれ。1993年,京都大学文学部史学科卒業。1998年,京都大学大学院文学研究科博士後期課程国史学専攻研究指導認定退学。現在,徳島大学総合科学部教授。 ※2019年11月現在
【主要編著書】『中世寺院勢力論―悪僧と大衆の時代―』(吉川弘文館,2007年),『僧兵=祈りと暴力の力』(講談社,2010年)

「2022年 『中世寺院勢力論 悪僧と大衆の時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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