ルリユールおじさん

著者 :
  • 理論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (56ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652040508

感想・レビュー・書評

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  • ここ最近になって電子書籍を利用するようになりましたが、まだまだ紙の本が好きな私。

    わかりますよ。

    好きな本は何度も何度も読みますもんね。
    でも、だんだんと傷んでくるんです(>_<)

    そんな大切な本を修復するルリユールおじさん。
    (ルリユール relieurとは、フランス語で「もう一度~する/〜し直す」という意味のre-と、「(糸で)綴じる」という意味のlier、これら2つの単語を合わせた言葉であり、主にフランスで製本・装幀を手作業で行う職人を指す言葉。フランスでは記録に残っている限り16世紀末頃からルリユール(「綴じ直す人」)を名乗る職業が発生している。)

    大切にしてきた大好きな本が傷んでしまったソフィーの為、ルリユールおじさんが本に再び命を灯します。

    <あらすじ>
    パリの路地裏に住むソフィーは、大切にしていた植物図鑑が壊れてしまいます。そこで、手作りの製本をするルリユールおじさんの店を訪ねます。おじさんは、ソフィーの目の前で図鑑を丁寧に修復していきます。その過程で、おじさんの父との思い出や、製本職人の誇りや愛情が語られます。最後に、金箔の文字で名前を入れてもらった図鑑は、世界で一つだけの美しい本になります。ソフィーは、おじさんに感謝し、植物学の研究者になります。

    本の概要

    内容(「BOOK」データベースより)

    パリの路地裏に、ひっそりと息づいていた手の記憶。本造りの職人から少女へ、かけがえのないおくりもの。

  • 大切にしていた植物図鑑が壊れてしまった。少女ソフィーは本を直してもらうため、パリの一角に居る”ルリユール”という製本職人のもとを訪ねる。

    この本に出会って”ルリユール”という言葉が職業を指すことを知りました。本を直す過程に好奇心が抑えられないソフィーと、そんな少女に少し翻弄されながらも丁寧に仕事に向かうルリユールおじさんの2人の掛け合いに癒されます。

    淡い色で優しく描かれた1枚1枚の絵も必見。
    本を慈しむ全ての人に読んでほしい1冊。

  • 「ルリユール」はおじさんの名前ではなく、本の修理屋さんとか装丁職人とかいう意味。職業の名前で呼ばれるのってなんか素敵だな。物語の舞台てまあるパリではよくあることなんかな?

    材料とか機械が所狭しと置いているごちゃごちゃした部屋と、ゴツゴツした手で魔法のように本を直していくおじさん。その周りをちょこちょこ着いて回る女の子。なんかいいな。こんなおじいちゃんほしい。

  • 本が好きで、本を大切にしている子ども達に読んで欲しい一冊。
    大人になった今、このストリーは自分が子どものころ夢みたストーリーそのものです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「夢みたストーリーそのものです。 」
      それは素敵!
      いせひでこの絵本は、どれも素晴らしいですが、特に此の作品は格別ですね!!
      「夢みたストーリーそのものです。 」
      それは素敵!
      いせひでこの絵本は、どれも素晴らしいですが、特に此の作品は格別ですね!!
      2014/05/02
  • 「ルリユール:Relieur」製本、もう一度つなげる。

    お気に入りの図鑑がばらばらになってしまい、「本のおいしゃさん」ルリユールに本をなおしてもらう少女とルリユールおじさんの話。

    水性の絵が柔らかく、好き。
    老人と子ども、という取り合わせは、いつかはそうであった自分の姿と、いずれそうなるはずの自分の姿のようで、ぐっとくる。

    洋を問わず職人の手って素敵だな。どんなに不恰好でも、そこには暖かみと削ぎ澄まされた鋭さがあって。きちんと年月を捧げた者が得る勲章のように、そこには敬意が沸き起こる。


    ソフィーの食い入るように本を読む姿はいい。よく分かるよ。


    でもどうしてもルリユールって言いにくい。油断すると、すぐにユリユールになってしまうぞ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「いずれそうなるはずの自分の姿のようで」
      心打たれるのは、そのためか。と思いましたヨ。
      何かを手渡す(物理的なコトだけじゃなく)話には、必須...
      「いずれそうなるはずの自分の姿のようで」
      心打たれるのは、そのためか。と思いましたヨ。
      何かを手渡す(物理的なコトだけじゃなく)話には、必須の条件かな?
      2013/01/31
    • ruokaさん
      nyancomaruさん:そうかもしれませんね。そうやって、バトンリレーのように続くものの中に、自分も加わりたいなぁなんて思ってしまいます。...
      nyancomaruさん:そうかもしれませんね。そうやって、バトンリレーのように続くものの中に、自分も加わりたいなぁなんて思ってしまいます。コメント、お気に入り、ありがとうございました!
      2013/02/04
  • 初めて手にとったとき絵のタッチに惹かれました。ぼろぼろになるまで読み返す大事な本があるとよいなあ。それを素敵によみがえらせてくれる装丁の仕事もよいなあ。

  • 読んだあとふわふわと優しい気持ちになった。
    絵がきれい。

  • 植物図鑑がバラバラになって壊れてしまった。
    本屋に行けば新しい図鑑があるけれど、女の子はこの図鑑をずっと見ていたかった。
    ある人にルリユールのところへ行けと教えられる。

    ルリユールとは60以上ある本の装丁の行程を全て手で行う職人のことだそうだ。

    女の子、ソフィーの植物図鑑はソフィーの植物図鑑という新しい書名になって蘇り、数年後女の子は植物学者となった。

    本の装丁を全て手で行うというのは、それは当然かもしれないけれどロマンを感じる。
    作者も実際にフランスを旅行したときにこの職人に会っているそうだ。

  • 友人に勧められて読んだ、大人の絵本。

    初めはただのスケッチの羅列のようで、面白さが分からなかった。
    最後まで読むと分かるが、この本は二度読むことを前提に描かれているのだ。
    なので、これから読まれるかたはぜひ、
    初めの数ページにある違和感で本を閉じないでほしい。

    絵のタッチに、絵本としては好き嫌いがあるかもしれない。
    個人的には、ルリユールの職場を描くのに
    水彩画は少し柔らかすぎるように感じた。

    アニメのストーリーボードのような雰囲気のスケッチ群。
    スタジオジブリあたりで、いつか映画化されそうな気がしてくる。

  • ソフィーとルリユールおじさんとの出逢い。

    形の崩れる過程で見てきたもの。

        形としては決して残せないもの。

    形ではないから残ってきたもの。

        形を作り直す過程で見えたもの。


    1人の人を、1かけの時間を、1つの想いを、
    「守る」ことは、温かく、厳しい。

著者プロフィール

[著者紹介]いせひでこ(伊勢英子)
画家、絵本作家。1949年生まれ。13歳まで北海道で育つ。東京藝術大学卒業。創作童話『マキちゃんのえにっき』で野間児童文芸新人賞を受賞。絵本の代表作に『ルリユールおじさん』『1000の風 1000のチェロ』『絵描き』『大きな木のような人』『あの路』『木のあかちゃんズ』『最初の質問』『チェロの木』『幼い子は微笑む』『ねえ、しってる?』『けんちゃんのもみの木』『たぬき』など、単行本・エッセイに『旅する絵描き』『七つめの絵の具』『わたしの木、こころの木』『こぶしのなかの宇宙』『猫だもの』『見えない蝶をさがして』『風のことば 空のことば』など多数。


「2022年 『愛蔵版 グレイがまってるから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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