- Amazon.co.jp ・本 (51ページ)
- / ISBN・EAN: 9784652040683
感想・レビュー・書評
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春分の日、5時27分、時計の針が重なるときに時刻表にはない路面電車(トラム)がやってくる。
ヨーコさんは前に自分で同じことをノートに書いたと思いながらやってきた路面電車に乗り込んだ。
着いた先で自分と似た少し年上の女の子と出会い、日時計の周りを回って遊ぶ。
夏至の日の針が重なる時間にやってきた路面電車に乗って女の子トラムさんとまた出会い、占い師のお告げを聞いたり、植物園で白いアリクイのような月の光を食べる生き物を探す。
秋分の日には、気球が飛ぶのを見る。
しかし、冬至の日に会いに行くとトラムさんとは出会えなかった。
ヨーコさんが留守にしている間に小さな女の子が来ていたらしい。
次の年の春分の日の時計の針が重なる時間、ヨーコさんは路面電車の駅に行き、小さな女の子が降りて来るのを待つ。
ヨーコさんはかつて自分がしてもらったように、小さな女の子と時計塔の周りを回って遊ぶのだった。
話の内容も絵も独特。
ヨーコさんやトラムさん、お母さんたち以外の文章に出てこない周りの人たちの体がみんな動物。
街の風景にも奇妙な面がいくつもある。
文章にはないから絵を描いた人の勝手かもしれないけれど、絵が少し不気味で、物語にもちょっと不気味さが加わわっている。
最初はトラムさんは子供のころのお母さんなのかと思ったけれど、過去に出会うというよりは、ずっと続いてるよう。
お母さんやおばあちゃんの時代、そのずっと前から順繰りになっていそう。
この街の女の人たちはみんな似たような外見なのかも…。
出て来るモチーフがなんとなく長野まゆみの世界みたい。
独特の雰囲気は子供向けではなく少し高年齢層向け。
こういう雰囲気の好きな大人受けがよさそう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
絵が先かお話が先か?
そう思わせる「絵にぴったり」の絵本でした。
やさしいタッチですこし恐いような
独特な世界が良かったです。