少女神第9号

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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652071786

作品紹介・あらすじ

全米ティーンに人気爆発、F・L・ブロック最新短編集。すべての"少女"に捧げる現代版「ナイン・ストーリーズ」。

感想・レビュー・書評

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  • 素敵なパパとママに見守られ、お姉ちゃんのピーチパイと「美女と野獣ごっこ」をして遊ぶちっちゃなトゥイーティー。
    けれど彼女は知っている。御伽噺がみんな本当になるはずがないこと、もうすぐお気に入りの水着は着られなくなり、居心地の良いバケツの中にも入れなくなること、やがて厳しい冬が訪れること……。
    そして夜、トゥイーティーは温かく、悲しいくらいにあざやかな夏の一日を抱きしめて眠りにつく…『Tweetie Sweet Pea』

    レイヴ。
    僕にとって誰よりも特別だった女の子。彼女は誰のものにもならない。
    ロックスターたちを追いかけ、「あたしのおもちゃ」と呼び、彼らの部屋に入り浸って酒と煙草とセックスに耽る。けれど必ず朝にはリムジンで登校する優等生は、オーバードーズの為に17歳で死んでしまった。
    僕は彼女に何かをしてあげたかった。彼女をもっと泣かせてやれば良かった。人魚になったレイヴの涙の海で、ロックスターなんかみんな溺れて死んでしまえばいい…『Rave』他7編。

    帯文のコピーそのままに、ポップで、リアルで、ファンタスティック!
    傷つきやすく、気まぐれで夢見がちなくせに妙に冷めてる。絶望感でひっくり返りそうになっててもどこか前向きで意外に強か…。そんな愛らしい少女たちの、時に痛みと切なささえ伴う生を描き出す、現代のナイン・ストーリーズ。

  • この本を思い出すだけで心に浮かぶ自分だけのシーンがある。

  • 文学

  • LGBTそしてQ。

    二人のママを持つ女の子の話があります。以下ネタバレになっちゃいますが…、


    実はママの一人はもと男性。女性の心をもった男性(トランスジェンダー)で、かつ恋愛対象は女性(レズビアン?)という複雑な性。ゲイだったらシンプルなのに…と思い悩むのですが、とても好きな女性が同性愛者という奇跡、彼女が彼を女性として受け入れてくれた奇跡、そしてお互い子供を為すために生涯でたった一度の男女のsexをして家族となった奇跡。
    どこかで同じようなキャラを読んだ気がしたけど、金田一蓮十郎さんの漫画「マーメイドライン」でした。

  • BOOKMARK 第10号 特集『わたしはわたし、ぼくはぼく』掲載
    http://www.kanehara.jp/bookmark/

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    5歳から20歳までの各年代の少女を主人公にした9つの短編集。アメリカ西海岸の雰囲気や文化を背景に,多彩な物語が展開される。
    https://www.rironsha.com/book/%e5%b0%91%e5%a5%b3%e7%a5%9e%e7%ac%ac%ef%bc%99%e5%8f%b7

  • よしもとばななの「キッチン」を読んだときに、自分の思っている感情がまさに書かれていて感動してそれから本が好きになったと話をしたときに、マレーシアの友達が私はこれだったと教えてくれた。

    フランチェスカ・リアブロック

    私は聞いたことなかったけど、ヤングアダルトで有名な作家さんなんだね。

    「ブルー」と「マンハッタンドラゴン」がよかった。

    今読んでももちろん良さはわかるけど、やはりこれは中学生や高校生の時に出会いたかった。

  • ある夏の日の幼い少女と家族、母親を亡くした少女のもとに現れた不思議な生き物、2人の母親に育てられた少女の父親探しの旅、グルーピーの少女、姉妹のような2人の少女、親友のような恋人を持つ少女、少女を主題にした短編集。

    これはやっぱり作者の代表作とも言えると思う。ドラッグも依存症も自殺も性問題も出てくるのに、それでいてキラキラしてて残酷でまぶしい。
    初めて読んだのは十年ほどまえだけど、やっぱり今でもお気に入りは「レイヴ」「ウィニーとカビー」かな。この2つは男女間の恋愛という要素が(一応)全面に出てるし。ヤングアダルトっぽさが強いのは「ブルー」「マンハッタンのドラゴン」あたり。
    どれもブロックの世界観であることは確かだけど、どれも全く色のちがう作品になっていて、それぞれが楽しめる。

  • あたしの全て

  • 中高生の頃にこの本を読んでいたら、影響を受けすぎて大変だったかもしれない。紫色の綺麗な甘い毒のような本。この本の魅力をわかってくれる感想と出会うとすごく嬉しくなります。現代版ナイン・ストーリーズ、というのはうーん、どうかな、と思うけど。印象的だったのは「ブルー」。

  • 10代の瑞々しい感性に満ちた9つの短篇。2人のママがいる女の子の話「マンハッタンのドラゴン」や、ママを亡くした女の子の話「ブルー」、ゲイの男の子に恋する女の子の話「ウィニーとカビー」が特に好き。この本に10代の頃に出会っていたら、ラーにとってのブルーみたいになっていたかもしれない。笑 きらきらとして繊細で触れればすぐに傷つく花のようで、花の花弁を掻き分け奥へ入って、柔らかな花びらを傷つけないようにそーっと蜜を飲んでる蟲の気分だった。

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