- Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
- / ISBN・EAN: 9784652078495
感想・レビュー・書評
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読了:2011/5/24
ブクログの「この本を読んだ人はこんな本も読んでいます」で発見。ありがとう、本当に。
私が初めて知ったときの中村うさぎさんはゴクドーくんの作者だったけど、どんどんどんどん、「女」としての自分を突き詰める方向に突き進んでて、リアルタイムじゃないけど時折追っかけていた。なぜなら自分とベクトルは同じだったからだ。「愛されたい」と。
そしてこの本。やっぱり、自分を突き詰めて突き詰めて突き詰め抜いて、「底」にタッチして戻ってきた人の言葉には凄みがある。
p.35 「整形して良かったことは、これは『どうせ私の顔じゃない(ドクターの作品だもの)』と思うようになったことで、『綺麗』と言われようが『整形したくせにブス』と言われようが、何とも思わなくなったこと。」
整形により、容姿の否定を人格の否定と結びつけなくなったと。
なかなか言えるもんじゃないし、目からうろこ。
p.55 「他人と比べて『私はブス』『私はデブ』と劣等感を抱いているだけなら、病気の域までは達しない。でも、その劣等感に『だから、私は愛されない』が加わると、途端に『自己評価』が暴落する。」
なんと深い洞察だろうと思う。
p.68 「『自己評価の低すぎる人』というのは、とても視野が狭い。ほんの少しの失敗で人生全体が失敗だと思ってしまう。『失敗した自分』『ダメな自分』しか目に見えてない。要するに自分のことで頭がいっぱいすぎる」
耳がいたいっす。
p.24 「『自分嫌いじゃなくなる』って言うと、『じゃあ、自分を好きになればいいのか』って思う人は多いんだけど、じつは、それ、違うんだよね。『自分が嫌い』という気持ちも、『自分が好き』という気持ちも、ともに『自分への執着』だから、同じように苦しいんだよ。」
この本の中でいちばんの名言じゃなかろうか。
読み返して気づいた。中扉の、女の子が自分を「TRUSH」に捨ててる絵がすげーこわい。「ギャアアア!」って心の中で叫んだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
思春期の女子に是非読んで欲しい一冊。
「自己評価が低い」=「自己評価が高すぎる」って事なんだなぁと納得。自分に求めるレベルが高すぎて挫折して自己評価が下がるって事は「自分はデキる!!」と思いすぎてる訳だから。
期待値を下げれば良いってもんじゃないけど、その仕組みを知っておくだけで随分楽になるはず・・・。 -
自分を客観的に見て考える癖をつけると楽になる。
長所と短所は表裏一体。
出口のないトンネルはない。 -
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p.23
自分が密かに「優越感」を感じてるってことは、相手に「劣等感」を抱かせやすいということだ。イヤなヤツにならないために、言葉や態度には注意しなきゃ。
その時に抱いた「優越感」や「劣等感」を、相手に対する「憎しみ」や「軽蔑」に転化せずらむしろ相手への「理解」に役立てること
p.38
「自分嫌い」から解放される道は、「自分好き」になることじゃないんだな。むしろ、「好き」とか「嫌い」とかいう感情から距離を置くこと(中略)
「自分」をある程度突き放すこと
p.60
芸術家として成功する人は、「自分嫌いの呪い」にかかっている場合が多い。自分に満足できなくて、自分をとことん追い詰めるからこそ、素晴らしい表現をすることができる
p.73
「自己評価」というものが、いかに主観的で一人よがりで間違っているかという事実を、ちゃんと自分でわかっておきましょう、ということ。そしてほんなものに振り回されて自分が大嫌いなんて思ってる自分を外から眺めて「まーた、そんな大げさに悲観して。アホやなぁ」って笑ってあげる訓練をしてみよう、ということ
p.86
無理に自分を好きになろうとせずに、「好きでも嫌いでもない状態」になれるように心がければいい
(中略)
つまり、自分のことをまるで他人のように客観的に観察していって、いいところや悪いところをリストアップしていく
p.87
「自分を好きでも嫌いでもなくなる」ためのひとつの方法として、(中略)「自分を笑う」というテクニックが有効
p.101
人の「長所」と「短所」は裏表の関係にあることが多い。
頼もしいリーダーシップを発揮する人は独善的で支配的な面も持ってるし、鈍感で空気の読めない人は誰よりもポジティヴな行動力に恵まれていたりする。逆にネガティブでクヨクヨしがちな人は、慎重さが必要とされる部分で正しい判断ができる
p.105
「長所と短所は裏表」という考え方は、「短所を正当化する」だけでなく「長所の裏側にある短所を見つける」というような、公平な使い方をしてこそ、威力を発揮する -
思索
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借りたもの。
ティーン向けの本だが、読みやすい文章で「自分嫌い」の本質を鋭く突いている。
「自分嫌い」とは「私は愛されていない」という不安の表現の一つの形態であることを指摘。
今様で言えば「毒親」だろうか……その原因の全てではないが連綿と受け継がれた「呪い」がきっかけであること、それは親だけでなく社会など、他者による比較であることを突き止める。
カレン・カーペンターの拒食症(ダイエット依存症)、整形、自身の買い物依存症など、主観にフィルター(色眼鏡)がかかっていることを指摘。
そして究極に突き詰めていくと、その色眼鏡は「理想の自分しか見えない」という、究極の自己愛(自分大好き)であると明文化する。
そしてそれは、自身をひたすらに苦しめるだけとも……
では、どうするべきか――
著者は”「自虐ギャグ」のすすめ”を提唱する。
(これ、一歩間違えると「自虐ネタ」というただの悲観主義者、自惚れになるから注意)
目的は自分を”好き”でも”嫌い”でも無く”ありのまま”を受け入れる、という事だった。
著者は顔の整形を経験しているそうだが、「整形して顔を変えちゃったんだから、どうせ、これは私の顔じゃない」という考えでネガティブを克服したそうだが……私には共感も真似も出来ない……
まるで過去の自分を抹殺しているようで……
最後のページで著者からのおすすめメディアに『新世紀エヴァンゲリオン』があった(笑)
あれは確かに「自分嫌い」の極み。最終話ラスト5分の境地は――あれはきっと個々人に突然訪れる一瞬なんだと思う。 -
自分が日ごろ感じていたモヤモヤをきっぱりと言語化してもらった感じ。目から鱗でした。
「自分が嫌い」の反対は「自分が好き」ではない。「『自分』というものに対する過度の執着」という意味では「好き」も「嫌い」も大差なく、時に適正な自己評価の妨げになり得るという点でどちらも同じである。
「自分」への執着を捨てよ。他者の如く見よ。徹底的に客観視せよ。
って、禅問答みたいになってますけど、今この歳で考えるに、全くもってその通りだなーと思います。
現在進行形で「こんな私が大嫌い!」と悩んでいる女の子を相手に、こういう考え方がどれくらい響くのかは正直未知数ですが(「よりみちパン!セ」シリーズは大体そう)、将来的に自分の娘が同じような壁にぶち当たった時は是非とも引用させていただきます!読んでよかった! -
2014/7/16 自分を客観的にみろ!さすれば楽に生きられる!とのメッセンジャーを受け取った。
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自分嫌いも自分大好きも、突き詰めれば同じこと。強過ぎる自己愛は、自分を傷つける。
ならば、どうしたらいいか。
自分を客観的に見て、笑っちゃえ。
…てなことを、自虐も交えユーモラスに、中学生向けくらいに書かれた本。
長所も短所も同じことの裏表。
長所だけいいとこ取りなんて出来ないんだよね。