戸村飯店青春100連発

著者 :
  • 理論社
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本棚登録 : 1962
感想 : 401
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652079249

感想・レビュー・書評

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  • 馬鹿な題名と表紙ですがそこはかとなくいい本なんじゃないかという予感が有りました。そして我が眼力間違いありませんでした。
    大阪の下町にある、中華料理屋の息子二人の視点を交互に描いた青春小説なのですが、なんだか2人とも愛おしくて愛おしくて。
    何でもできるイケメンもてもて兄。顔はそこそこだが陽気な愛されキャラの弟。弟は万能な兄に反目し、兄は弟を実はうらやましく感じています。兄が高校卒業と同時に東京へ出ると、離れた事によって見えていなかったお互いの事が次第に見えてきます。
    どちらも一生懸命青春していて題名に偽りなしです。意外と普通の小説なんですがすごく好き。これは理屈ではなく性に合う合わないなのかもしれない。
    父親も母親も近所の人も好きな女の子も、東京の友達も職場も恋人もみんなひっくるめて好きです。レビューとは言えないなこりゃ。

  • 大阪下町の中華屋で生まれ育った1つ違いの兄弟のヘイスケとコウスケ。

    ヘイスケは昔から大阪気質が性に合わず、高校卒業後、適当な進路を見つけて上京。

    コウスケは持ち前の明るさと情熱で高校生活を謳歌し、漠然と中華屋を継ごうとするが、思いもよらぬ展開に。

    兄弟の確執や、すれ違いがありながら、ヘイスケは東京に出て大阪の良さを知り、コウスケは自分の可能性を見出していく。

    着飾らない素の青年達が眩しい青春ストーリー。

    瀬尾まいこ作品の中でも好きな作品になりました。

  • 大阪の下町に育った兄弟、高校を卒業した兄が突然東京へ行ってしまうところからの一年間の成長物語。
    大阪の中華料理屋、兄はクールで弟は可愛がられ上手というベタな設定なのに、とても楽しめた。新喜劇のネタをやるところがとても効いていて、最後はやっぱり周りの人たちの温かさを感じられ、読後感よし^_^(たしかに新喜劇は東京人にはわからない!)それぞれが自分を分かってもらおうとしないで自然体なところが、作者の作品の共通点?
    瀬尾さん、大阪人なんですね、改めて。大阪弁のみならず、会話のやり取りが本当に大阪ネイティブって感じです。今まで読んだ瀬尾さんの作品のなかではこれが一番好きかな。

  • 面白すぎて涙出てくる。
    ホンマ、青春100連発でした!

  • おもしろかった~~~
    瀬尾さんの本にハズレはないけどなんとなく読んでなかった
    読んでよかったおもしろかった

    ぜんぜん合わない兄弟の話
    でもお互い思ってたり、なんか居場所とか、
    わかるような感じで
    よかった

    兄弟っていいなー(わたしもいるけどw)
    って思った

  • 戸村飯店の息子二人の話。

    器用でスマートな兄貴と不器用で野暮ったい弟が交互に一人称で綴る物語。

    一緒に住んでても、どちらも相手の考えていることが理解できていないことがわかる。

    お父さんの存在感もお母さんの二人へのやさしさも、表現が素晴らしい。

    だった2年くらいの話なのに、大きく成長する二人の話が嬉しい。

    楽しく読める話でした。

  • 大阪の中華屋さん戸村飯店の年子の兄弟、ヘイスケ、コウスケの一年間。関西弁でのやり取りは、少し読みにくかったけど、その会話力を心底うらやましく思った。瀬尾さん、相変わらず軽やかな文章で読みやすいが、テーマは深い。思春期を越えたハタチ前、大人になったつもりでも、まだまだ親がかりの子どもという、つかまり立ちの様な絶妙なお年頃の青年たちのプライドや悩み、葛藤がうまく描いてあって、引き込まれた。終始明るい本なので、とても楽しく読めた。私は兄ちゃんのヘイスケの方がタイプだな(笑)

  • 今日は2時間目と6時間目に生徒が10名弱ずつ図書室にやってきました。
    課題提出が今日だったにもかかわらず、できていない生徒がいて、先生の特別の計らいで続きを書きに来ていました。
    図書室の本を使っての課題だったので、自分で本を探し静かにペンを走らせていましたが、もう少し早くに仕上げましょう。

    では今日の推薦図書を。
    瀬尾まいこさんの「戸村飯店 青春100連発」です。

    この本は感動物というより、面白さでお薦めしています。

    頭が良くて女の子にモテモテのお兄ちゃんと、人望厚く周りの人たちから愛されている弟。

    大阪弁満載で、面白さ120%!
    さわやか爆笑コメディー。
    楽しく読めます(*^_^*)

    分類 913/セ

  • なんというか、読み終わってぼんやりした戸惑いが残った。
    多分お兄ちゃんが持つあの居心地が悪い感じが自分もちょこちょこ感じるからなんだろう。
    家庭にいても友人の中にいても職場にいても時々感じる違和感。
    それを何と無く持ちつつも現実は付き合いつつ生活していかなくてはいけないが、物語では郷愁に変わっていた。物語らしく。
    それがやっぱり現実と物語の違いなんだなーと感じると共に、いやいや小説なんだもんそれでいいのだという、そんな不思議な感じを残した。
    そして結局良くわかっていたのはなんにも見ていないようで見ていた父親だったことも腑に落ちるような落ちないような感じに終わった。

  • ほっこりしました。兄弟っていいな(#^.^#)
    最初は弟よりだったのが、読むうちに兄よりに変わっていったな。

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著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

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