作品紹介・あらすじ
政夫が中学生の時、病気がちな母親を手伝うため、二つ年上の従姉・民子が、家に同居していた。政夫と民子は、幼い頃から大の仲良しだった。しかし、世間体を気にする大人たちに二人の仲を注意され、かえって互いを異性として意識しはじめる。ある秋の日、野菊の咲く道で二人は互いの想いを伝え合う。
感想・レビュー・書評
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日本文学には、百年以上も読み継がれている名作がある。名作の本当の面白さをことばの壁をこえて体験できるよう、読みやすい現代語を使って、原文の意味をできる限りそのままに、作品を甦らせるシリーズ。
「政夫が中学生の時、病気がちな母親を手伝うため、二つ年上の従姉・民子が、家に同居していた。政夫と民子は、幼い頃から大の仲良しだった。しかし、世間体を気にする大人たちに二人の仲を注意され、かえって互いを異性として意識しはじめる。ある秋の日、野菊の咲く道で二人は淡い恋心を伝え合う。」
『高校図書館デイズ』(成田康子著 ちくまプリマ―新書)にて女子高生がこの本について語っているのを読んでよみたくなった。
「『野菊の墓』(伊藤左千夫)はじいちゃんがすすめてくれた。とてもきれい、という印象だった。悲恋なのに、妙にスーッとする。「民さんは、野菊のようだ」と野菊を手に持って、恥じらってやりとりしているのが見えるようで、そして、最後の場面は動きや風景が浮かんで、今でも忘れられない。湧き上がってくるような感情を思い出す。きれいに世界が閉じている。ライトノベルとの違いって、こんなところにあるように思う。」(高2)(『高校図書館デイズ』 p18)
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現代語訳された『野菊の墓』と伊藤左千夫についての解説。
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(簡単なあらすじ)
自分の意思よりも親の希望で結婚が決められていた頃の話。
15歳の少年と17歳の少女の初恋は、大人たちによって拒まれる。少女は別の人と結婚しても少年を想い、少年の写真と手紙を抱き、病に侵され亡くなってしまう。少年は大人になった今でも少女のことを忘れない。
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悲しい話。とても切ない。
お互いの気持ちを好きな花に代えて伝え合う場面が眩しかった。時代が変わってもこういう感情は同じなんだろうね。
民子が亡くなってしまったのは誰のせいでもないけど、民子の結婚相手はどんな気持ちだったんだろうと思った。自分の妻が初恋相手の写真と手紙を持って亡くなるってどうなんだろう。親の権力で結婚できたんだとしても、結婚相手の気持ちが自分に向いていないまま天国に行ったと知ったら絶対つらいよな。自分だったら耐えられないと思う。でも相手に嘘をついてもらうのも違うし。うーん。色んな切なさがある。
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アイドルネッサンス解散について。
2018年2月24日にアイドルネッサンスという8人組グループが解散した。美空ひばりからWANIMAまで新旧問わず名曲をカバーするアイドルで音楽ファンにはたまらないコンセプトだった。
初めて彼女たちを観たときにお見送り会に参加したくてシングルCDを購入した。ポスターが欲しくてタワーレコードまでアルバムを買いに行ったこともある。一緒に写真を撮りたくてブルーレイだって買った。
アイドルネッサンスのライブは儚くて、眩しい。青春真っ只中の彼女たちが賢明に歌い踊る姿に、自分が手に入れられなかった青春の輝きを求めていたんだと思う。ただただ単純に彼女たちを羨望の目で眺めるのが楽しかった。
解散が発表されたのは2018年に入ってすこし経った頃、唐突だった。親会社の都合で解散が決まってしまったような感じが透けて見えて、悲しい気持ちが収まらなかった。そりゃあ運営の人たちもみんな仕事でやってるのはわかるし、お金の問題がついて回るのもわかる。だけど、アイドルは夢を売ってるんだから、終わるにしてももっと夢をきらきらさせたまま終わらせるやり方があったんじゃないか。そう思った。
昨日の解散ライブでも開演前、そういうことを話している人が沢山いた。みんな解散が悔しかったんだと思う。まだまだこれからのグループなのに、と嘆いていた。
最後のライブでも彼女たちは輝いていた。
人生で一瞬しかない青春時代の輝きを、余すことなくステージ上で発揮していた。色々思うことはある。昨日のライブを観ていたときの気持ち、絶対に忘れたくないな。
アイドルネッサンス『前髪』( https://www.youtube.com/watch?v=brN4Asv7QHA )
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大人の都合で初恋を阻止された『野菊の墓』の民子と、アイドルネッサンス解散を絡めて感想文を書こうとしたけど、うまくまとめらなかった。多分、感情的になっているから。むむむ、という感じだ。
でも、まあ、これはこれで今の気持ちなのでこのまま残しておくことにする。
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こんな時代もあったのかと思うと、今は自由で良いなとつくづく。
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シリーズ第3巻は、これまでに何度も映像化されている『野菊の墓』。
過去のシリーズ同様、切ない初恋と悲恋のストーリーだった。
伊藤左千夫の作品