- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784653043591
作品紹介・あらすじ
『土佐日記』は紀行、『方丈記』は日記とみなされていた時代があった?! では、現在のようなジャンル概念はいつ、どのようにして築かれたのか。「日記」と「随筆」それぞれの概念の変遷を追うことで、現代の国語教育を通して、人びとのあいだに認識されているジャンル概念や価値観から離れ、作品を見通す新たな視座を提供する。
【目次】
序 章 なぜ、「日記」と「随筆」か
一 ジャンルは編みかえられる/二 随筆とエッセイ/三 古典評価の移り変わり
第一章 古典における「日記」と紀行文
一 重層する「日記」の用法/二 様ざまな「日記」/三 中世紀行文のことなど
第二章 前近代における「随筆」
一 中国の用法/二 日本の場合/三 日本の「随筆」考/四 池亭記・方丈記・徒然草/五 江戸時代の「随筆」
第三章 「日記」「随筆」の近現代
一 古典評価史の検討/二 「日記」の変容/三 修養日記へ/四 随筆の拡散
註
あとがき
主要人名・書名索引
感想・レビュー・書評
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古典作品を覚える事項に、ジャンルがある。
でも、ジャンルって誰がどういう意図で括ったんだろうと不思議に思っていた。
特に随筆というジャンルがハッキリ意識されるのは、かなり後の大正末〜戦後になるらしい。
日本古典三大随筆、の歴史自体は割と浅い。
日記の意味についても然り。
記とか、抄とかいう言葉の意味合いから、どんな用いられ方をしたか、どんな幅があったかを辿っていくことは面白い。
近代以降、特に西洋の文学観や小説が入ってから、遡って括っていくことには、ある種の比較や思想が入ってくるように思う。
けれど、そうした比較や思想の影の部分もまた、意識出来ると面白いだろうな。
しばらく古典漬け。まずはキーパーソンである池田亀鑑に戻ってみる。詳細をみるコメント0件をすべて表示