エチオピアの歴史

著者 :
  • 明石書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750312064

作品紹介・あらすじ

神話の世界=シェバ女王の国から,アフリカの星と喧伝された近現代まで。アクスム王国やイタリア—エチオピア戦争など特定時期の史実を取り上げるのではなく,建国から現在までを叙述する初の通史。

感想・レビュー・書評

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  • 今までに読んだエチオピア関係の3冊の中では、
    最もアカデミックな本。

    紀元前10世紀の神話の時代から、
    赤の帝国の崩壊の1990年代までのエチオピアの歴史を
    うまくまとめてあった。

    しかし、どうも章のタイトルが、
    章の主語に相当する時とそうでない時が混在していて、
    タイトルを読み飛ばす私としては読みにくかった。

    イタリアに対するエチオピアの「アドワの勝利」が、
    アフリカの民族主義、アフリカ黒人の解放運動に与えた影響と、
    ロシアに対する日本の日露戦争における勝利が、
    アジアの民族主義に与えた影響の類似性が指摘されていて興味深かった。

    (ただ、その後の日本が近代化の促進のに対して、
    エチオピアでは後進的低開発のままだったようだが)

    つまりは、
    「戦争に勝つ」ということが世界の中では絶対だということを、
    考えさせられた。

  • エチオピア正教会とロシア正教会は同じ東方正教会系に属していたから、わりに早い時期から宗教上の交流が見られた。
    ムッソリーニは1896年にイタリアがエチオピアに敗北したときに13歳の少年だった。少年は野蛮なエチオピアにローマ帝国を築いた偉大なる民族の子孫が負けたことにショックを受けて自分が大人になったら仕返しをしてやるんだと心に決めたそうだ。

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著者プロフィール

岡倉 登志(おかくら・たかし):1945年生まれ。明治大学大学院政治学研究科博士課程単位取得退学。大東文化大学名誉教授。横山大観記念館評議員。専門は19~20世紀のヨーロッパ・アフリカ関係史、日本と西洋の交流史。天心岡倉覚三の曾孫にあたる。著書『二つの黒人帝国』(東京大学出版会、1987年、駿台史学会奨励賞)、『「野蛮」の発見――西欧近代の見たアフリカ』(講談社、1990年)、『世界史の中の日本――岡倉天心とその時代』(明石書店、2006年)、『岡倉天心 思想と行動』(共著、吉川弘文館、2013年)など多数。

「2024年 『岡倉天心『茶の本』の世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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