ドイツに生きたユダヤ人の歴史――フリードリヒ大王の時代からナチズム勃興まで (世界歴史叢書)

  • 明石書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750339429

作品紹介・あらすじ

ドイツ人口の0.5%にすぎないユダヤ人だったが、フリードリヒ大王の時代からヒトラー出現までの200年間に、メンデルスゾーン、ハイネ、アインシュタイン等傑出した人物を多数輩出した。彼らが偏見と差別に向きあって自己を主張し苦闘した経緯を描く。

感想・レビュー・書評

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  • ヒトラーの首相就任直後から、ユダヤ人や一番攻撃を受けやすい左翼とリベラル派人士の慌ただしいドイツ脱出が始まり、議事堂火災後それが一挙に加速した。類のない文学界が、多くの面で世俗ヨーロッパの精華であったが、四散してしまうのである。ナチの新聞は「素晴らしいことが起きた。連中はいなくなった」と歓喜の声をあげた 。国外に離散した作家たちは迫害者の言語に繋がれたままで、これが彼らの苦悩を倍加し、トラウマを深めた。言葉を武器とする作家にとって、新しい国での社会適応はきわめて困難だった。一方ドイツ国内にとどまった友人や同僚たちは、所謂内的離散という不毛の世界に順応し、あるいはそこへ逃げ込んだ。ドイツ国外へ離散したユダヤ人知識人は、他のどのグループよりも「独裁制、戦争、ホロコーストそして敗戦を乗り越えて、ドイツの良き側面を保持した」のである。彼らはどこへ逃れようとも、いつもホームシックの状態だった 。1933年に5万人のユダヤ人がドイツから脱出した。1934年には3万人、1935年には2万人である。

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著者プロフィール

ユダヤ/イスラエル近現代史研究者、主流紙「ハ・アレツ」論説委員(欧米問題担当)。ウィーンに生まれ、1933年英国委任統治領パレスチナへ移住。ヘブライ大学、ケンブリッジ大学で歴史及び政治学を専攻。イスラエルを代表する知識人の一人であったが、歯に衣を着せぬ筆致で、イスラエルの政策も容赦なく批判。晩年はイタリアのトスカナに居を移した。主要著書『憑かれた大地を行く・二つのドイツ』(Journey through a haunted land: The two Germanies 1966)、『イスラエルびと・建国者と息子達』(The Israelis: Founders and sons 1970)、『敵意の狭間で』(Between enemies: A compassionate dialogue between an Israeli and an Arab 1974)、『ヘルツェル伝記』(Herzl: A biography 1975)、『エジプトへの飛行』(Flight into Egypt 1980)、『エルサレム・鏡のまち』(Jerusalem: city of mirrow 1989)、『初代ロスチャイルドの肖像とその時代』(Founder: A portrait of the first Rothchild and his time 1996)、『血みどろの中東便り』(Blood dimmed tide: Dispatches from the Middle East 1997)など多数。

「2013年 『ドイツに生きたユダヤ人の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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