ドイツに生きたユダヤ人の歴史――フリードリヒ大王の時代からナチズム勃興まで (世界歴史叢書)
- 明石書店 (2013年12月25日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
- / ISBN・EAN: 9784750339429
作品紹介・あらすじ
ドイツ人口の0.5%にすぎないユダヤ人だったが、フリードリヒ大王の時代からヒトラー出現までの200年間に、メンデルスゾーン、ハイネ、アインシュタイン等傑出した人物を多数輩出した。彼らが偏見と差別に向きあって自己を主張し苦闘した経緯を描く。
感想・レビュー・書評
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ヒトラーの首相就任直後から、ユダヤ人や一番攻撃を受けやすい左翼とリベラル派人士の慌ただしいドイツ脱出が始まり、議事堂火災後それが一挙に加速した。類のない文学界が、多くの面で世俗ヨーロッパの精華であったが、四散してしまうのである。ナチの新聞は「素晴らしいことが起きた。連中はいなくなった」と歓喜の声をあげた 。国外に離散した作家たちは迫害者の言語に繋がれたままで、これが彼らの苦悩を倍加し、トラウマを深めた。言葉を武器とする作家にとって、新しい国での社会適応はきわめて困難だった。一方ドイツ国内にとどまった友人や同僚たちは、所謂内的離散という不毛の世界に順応し、あるいはそこへ逃げ込んだ。ドイツ国外へ離散したユダヤ人知識人は、他のどのグループよりも「独裁制、戦争、ホロコーストそして敗戦を乗り越えて、ドイツの良き側面を保持した」のである。彼らはどこへ逃れようとも、いつもホームシックの状態だった 。1933年に5万人のユダヤ人がドイツから脱出した。1934年には3万人、1935年には2万人である。
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