トランスジェンダー問題――議論は正義のために

制作 : 清水 晶子 
  • 明石書店
4.12
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本棚登録 : 453
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750354637

作品紹介・あらすじ

トランス女性である著者が、トランス嫌悪的な社会で生きるトランスの現実を幅広い分析によって明らかにする。不十分な移民政策、医療体制の課題など、英国の抱える問題は日本と共通するところが多く、本書は日本の「トランスジェンダー問題」を考える上でも大いに参考になる。

感想・レビュー・書評

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    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「トランスジェンダー問題」は、シスジェンダー問題である|じんぶん堂
      https://book.asahi.com/jinbun/artic...
      「トランスジェンダー問題」は、シスジェンダー問題である|じんぶん堂
      https://book.asahi.com/jinbun/article/14734016
      2023/02/17
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      トランスジェンダー問題 書評等掲載情報 | トランスジェンダー問題――議論は正義のために | webあかし
      https://webmedia...
      トランスジェンダー問題 書評等掲載情報 | トランスジェンダー問題――議論は正義のために | webあかし
      https://webmedia.akashi.co.jp/posts/6348
      2023/04/10
  • 謎が解けた。なぜ左の“フェミニスト”が右の宗教保守と手を結ぶのか。「肉屋の豚」現象ですね。

    そして、これが日本だけでも英国だけでもないのは「米国の宗教保守が、明確にLGBとTを分断する戦略をとってるから」。

    私がTwitterで上位ツイッターフの相手してて感じてた「信念」や「使命感」はあながち間違いでもなかったんだな…という絶望。

    一方で、家父長制に迫害されてきた人たちが連帯して立ち上がれば十分、というメッセージには、頷きつつこちらこそ救われた。トランス差別に対して何もできてない無力感があるので。
    立ち上がりましょう。立ち上がります。

  • ネット言論でのパニックめいたトランスヘイトに左右されないため、まずはトランスジェンダーの人々がどのような状況にあるかを知るべきだろう。英国の事例が中心ではあるが、解説や訳者解題まで読むことで、日本の状況についてもある程度の理解を得られる。右派のトラスフォビアは今に始まったことではないが、驚くべきはマイノリティ側から社会変革を求める左派にもトランス排除の言説に取り込まれる層がいるということだ。そこにあるのは、かつて白人フェミニズムが犯してきたような権利獲得の力学であり、つまるところ更なる弱者を維持しようとするシステムである。ある程度 フェミニズムを理解したと考えている層にこそ、次なる連帯のために読んでほしい一冊。訳者である高井ゆと里氏の注釈も細かいところまで目が行き届いており、安心して読むことができる。丁寧な仕事に感謝したい。

  • UKトランス問題より。
    実例が酷く痛く心にくる。
    そもそも身体やトランス男性どうこうの前に、人間としてどう意識を持てるかにつきる。
    ただ、実際に遭遇しないと想像できないほどの気持ちと状況になりそうで、めちゃくちゃ難しい。

  • 3.6

  • 第一章
    トランスジェンダーへ向けられる言動は、根拠を伴わない差別的なものであふれている。
    学級全体の教育効果のために個人への配慮を犠牲にしたり、社会全体のジェンダー規範?のために個人がヘイトに晒されたり、また性的な危害を受けたりする。
    女性から男性へ「移行中」の人が、生命の危機を感じて支援を求めた時、一体どこへ避難すれば良いのか。
    女性がトランス女性に配慮することを「男の味方になることだ」と、勝手に構図を作り上げるのはおかしな話。(「男の味方になる」とは、トランス女性を男として見ているという意味と、女性の驚異になる存在を擁護しているという意味で、二重である)

  • これは現在まかり通っている不正義についての正義の書であり、当事者たちが直面させられている絶望に対する希望の書だと思う。
    そしてその不正義も絶望も生み出しているのはシスヘテロ優位のジェンダー規範であり、その恩恵に預かる我々(僕含め多くのシス男性)であることを決して忘れてはならない。
    僕は加害者でもある以上、安直な連帯は許されないと思う。それでも、なんとか連帯できる手立てを探し続け、この不正義を変える義務が僕にはある。

  • 【書誌情報】
    『トランスジェンダー問題――議論は正義のために』
    著者:ショーン・フェイ
    訳者:高井ゆと里
    解説:清水晶子
    定価:2,000円+税
    出版年月日:2022/09/30
    ISBN:9784750354637
    版型:4-6 436ページ

    トランス女性である著者が、トランス嫌悪的な社会で生きるトランスジェンダーの現実を幅広い調査や分析によって明らかにする。これまで自伝や研究書に偏っていたトランスジェンダーを扱った書籍の中で、事実に基づき社会変革に向けて開かれた議論を展開する画期的な一冊である。トランスジェンダーの実態を何ら顧みない、排除のための偏見に満ちた言説が拡大される中、日本における「トランスジェンダー問題」を考える上でも必読の書。
    [https://www.akashi.co.jp/book/b612082.html]

    【簡易目次】
    プロローグ
    イントロダクション 見られるが聞かれない
    第1章 トランスの生は、いま
    第2章 正しい身体、間違った身体
    第3章 階級闘争
    第4章 セックスワーク
    第5章 国家
    第6章 遠い親戚――LGBTのT
    第7章 醜い姉妹――フェミニズムの中のトランスたち
    結論 変容(トランスフォーム)された未来

    謝辞
    解説 スーパー・グルーによる一点共闘――反ジェンダー運動とトランス排除[清水晶子]
    訳者解題 日本で『トランスジェンダー問題』を読むために
    訳者あとがき
    原注

  • トランス男性/女性という言葉自体、ジェンダーのカテゴリーは2つだけしかないという考えに異をとなえる人からすると不適。
    今日におけるトランスジェンダー問題とは、シスがトランスとの共存の中で発生する問題であり、トランスが直面している問題ではない。
    家庭内暴力のシェルターは深刻なまでにジェンダー化されており、トランスを念頭に置いていないため、ホームレスや殺人事件につながっている。
    暴力の脅威があるせいで、多くのトランスが自分の外見を変えるか、公共喰うy間を通る仕方を変えるか、どちらかを選ぶように強いられていると感じている。
    不遇にある人々から、ラディカルで怒りっぽく、品が悪い人々によって運動が奪われる。そして、その運動は今度は卑劣なアクティビストによって売名のためにダメにさせられる。
    人々をセックスワークに突き動かしているそもそもの制度的な原因、とりわけトランスの人々を動かしている原因に対処することなしにセックスワークを犯罪化することは、すでに存在している不平等な取引をより強固なものにする。結果、ワーカーはますます危険に身を置くようになる。)
    トランスジェンダーは誤解によって、同性愛者からもフェミニズムからも敵視される部分がある。

  • web明石(イントロダクション「見られるが聞かれない」)
    https://webmedia.akashi.co.jp/posts/6475

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著者プロフィール

イギリス・ブリストル出身。現在はロンドンを拠点に活動。弁護士としての訓練を受けた後、執筆活動やキャンペーン活動を行うために退職し、慈善団体のAmnesty InternationalやStonewallで働いている。Dazedの編集長を務めたほか、Guardian、Independent、Viceなどで執筆活動を行っている。最近、LGBTQの先駆者たちにインタビューするポッドキャストシリーズ「Call Me Mother」を立ち上げ、高い評価を得ている。本作は初の著書。

「2022年 『トランスジェンダー問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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