- Amazon.co.jp ・本 (47ページ)
- / ISBN・EAN: 9784751519844
感想・レビュー・書評
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アメリカの南北戦争が舞台の過酷な物語。
最後の一ページの一文「どうか・・・」で、揺れているにもかかわらず、押しとどめていた感情が堰を切ったようにあふれ出してしまった。
歴史は教科書の中にあるのではない。
誰かが誰かに、大切なものを手渡してきて、想いを繋いできたからこそ、「今」という時、「私」という存在があるのだ。
私のレビューなぞ、何の役に立つだろうか・・・。
でも、これを見た、どなたが、本書を手にするきっかけになれば、と願うばかりである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
南北戦争に駆りだされた二人の少年、その出会いと別れの実話が描かれた、心ゆさぶる感動の絵本。文字を読める黒人少年ピンクス、そして文字が読めない白人少年シェルダンが、人種の垣根をこえて、戦場に芽生えた友情と差別なき社会で自由に生きることの尊さを語りつないでいます。
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語り継いでいかなければならない、たくさんのこと。
そのひとつを形にした絵本です。 -
高学年に。
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「文字を読める黒人ピンクスと文字を読めない白人シェルダン。南北戦争を舞台に、二人の少年の友情、そして別れを描いた実話。
文字を読める黒人ピンクス。そして文字を読めない白人シェルダン。南北戦争を舞台に、そんな二人の少年の出会いと友情、そして別れを描いた、本当にあった物語。」 -
貸出状況はこちらから確認してください↓
https://libopac.kamakura-u.ac.jp/webopac/BB00238005
【講座「多文化・コミュニケーション保育演習」関連】 -
南北戦争。
生き残った彼が、生き残った理由こそが南北戦争の理由そのものなのかもしれない。
でもそれもまた真実かどうかは分からない。
ただ、「おれの戦争」だと言った彼にとって、それが真に「おれの戦争」だったことは間違いない。 -
2021年再読。
負傷して味方に打ち捨てられた脱走兵、Say。自ら危険に身をさらし彼を助ける黒人部隊のピンク。
彼はSayを実家に連れ帰る。Sayが目を覚ますとピンクの母、が口にした言葉
「この子のおっかさんは、なんて綺麗な子を産みなすったんだろう。」
肌の色は関係ない。
子供をいとおしいと思う母心は人種を超えると思わせる、泣けるほど美しくて温かい言葉。
母を殺され、家を出て自分の部隊と合流する旅の途中で南軍に捕まりアンダーソンウィル収容所に連行された二人。荷馬車を降りた瞬間に引き離される。
高熱でフラフラのピンクがSayに最後に懇願する。
「おれの手を握ってくれ。リンカーンさんに握手したその手で。Say、もう一度だけ。」
そしてピンクは縛り首になり、採掘跡の穴に放り込まれて生涯を終える。
物語の最初のページで、Sayとピンクが戦場へ旅立つ場面が描かれているが、ピンクがものものしい表情である一方、Sayは笑顔である。
独立戦争にかける二人の温度差があらわれている。
Sayはピンクに出会ったことで、初めてこの戦争の意味や重みを感じたのだと思う。
特有の人種に対する暴行動画が日常的にニュースで流れる現代だが、そういったショッキングな映像を見るとただただ「痛ましい」と目をそらしたくなってしまう。
この物語はただただ、事実を静かに語っている。
「リンカーンと握手した手」を最後まで求めたピンクの存在を、Sayの家族が何代もかけて現代の私たちに届けてくれた。ただただ静かに繰り返し繰り返し語り継がれたこの物語が、より、人種問題について深く訴えてくる。 -
5年教科書掲載本
アメリカ南北戦争のときの北軍の二人の兵士の話。
奴隷問題についても触れられていて内容は深い。
背景を知った上で、じっくり読んでもらいたい本。