- Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
- / ISBN・EAN: 9784751523735
感想・レビュー・書評
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冒険に次ぐ冒険。謎に次ぐ謎。どんでん返し。飽きさせない展開。
善とは何か、悪とは何か。その定義は難しい。
途中、ちょっと説明(翻訳)不足なのか、わかりにくいところがあったが、ほんのりと恋も描かれて、面白かったです。
クジラのジャスコニウスのくだりが、一番胸に迫った。
子どもっぽいタイトルで損をしているのではないかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
衝撃的な最終巻。
マールシュトロームの正体は、元ミズスマシ、アイナ。ただのものを考える大渦だと思ってたのに、それは、たぶらかされてしまった、自分と同じにんげんだったとは、ぶったまげた。 -
大渦潮との対決に海底を歩いて行くジョリーとムンク、そこに透き通る少女アイナと出会う。ムンクの両親を殺した怪物アケルスやクラバウターの主(くらげの中の少年)はなんと大昔のミズスマシだった。心理的対決や最後を楽しませてもらった。
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ジョリーとムンクは、ついに世界の平和を守るためにショルフェン海溝へと向かう。行方不明のグリフィンや、謎のまゆに包まれたままの木食い虫を心配しながらも、戦いへ身を投じることを決意したジョリーはムンクの感情を掴みかね、不安になりつつも旅を続ける。そこへ突如現れたミズスマシの少女アイナによって、ジョリーはクラバウターの原母カングスタとともに閉じ込められてしまうが、自分たちをだましたアイナの過去をカングスタから聞くジョリーは複雑な心境になる。その頃、エレニウムではクラバウターの猛攻撃に始まりタイロンの奇襲部隊によって負傷者がたくさん出ていた。懸命に戦うソールダッドたちだったが、負けるのは確実だった。グリフィンが連れてきた鯨のジャスコニウスや蛇神たちも必死の抵抗を続けるが・・・。そして、<大渦潮>の正体を知ったジョリーとムンクは死を覚悟しながら<大渦潮>を倒すことを決意する。
三部作の最終巻。戦いは一見善と悪の対決に見えますが、実はそうでないことがわかってきます。ジョリーにとって、<大渦潮>との戦いは、ある意味それを超えたものになるのです。ミズスマシの特別な力を持ったせいでいじめられ、人間を憎むようになったというアイナの過去はつらく苦しいもので、似たようなことを経験したジョリーやムンクにも容易に理解できるものだったわけで、一概にアイナが悪いとは言えないのだと思う。それでも人を傷つけたりするのは間違っているとひたすらに信じ続けるジョリーが良かったです。ムンクがジョリーを裏切っていたわけではないとわかって安心しました。ソールダッドは前にも増してカッコよかった。ウォーカーとともに幸せになってほしいです。ジャスコニウスとグリフィンの別れは切なくて泣けました。津波によって多くのものを失ったエレニウムですが、これからまた再建されるものもあるはず。平和の大切さを改めて感じ取りました。 -
シリーズ完結編。
ついに<大渦潮>の全貌があきらかに!
人間は辿り着くことの出来ない深海の底に赴くムンクとジョリー。
友達なのに、今は助け合わなきゃいけないのに、心はすれ違ったまま。
不気味な海底と、エレニウムを激しく襲う怪物たち。
静かに激しく、一気にたたみかけるように、物語は終焉を迎えます。
book design / 丸尾 靖子
原題 / "Die Wasserweber" (2004)