チコときんいろのつばさ

  • あすなろ書房
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本棚登録 : 224
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751525142

作品紹介・あらすじ

羽のない小鳥チコが、大空を飛べるようになった時、仲間たちは?レオ・レオーニの知られざる名作、待望の初邦訳!

感想・レビュー・書評

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  • チコに翼がなかったとき、周りの鳥たちはチコに優しくしてくれていた。
    それはもしかしたら「弱い立場への優越感」からきた優しさだったのかもしれない。
    チコに金色の翼が生えたとき、周りの鳥たちは「あいつ調子のってんな」って言い合った。特別なものに対して大衆は時に残酷だ。
    チコの翼が黒くなったとき、周りの鳥たちは「ようやく君も僕たちと同じになったね」と言った。
    鳥たちは安堵したのかもしれないし、「ほら見たことか金色じゃなくなったぞ」と蔑んだのかもしれない。

    でもチコは思った。同じじゃないと。みんな同じだなんてありえないと。心も思いもみる夢だってそれぞれ違うのだ。
    チコがそれを知っている限り、覚えている限り、いつまでだって特別でいられる。

  • 自分より劣っているものには優しくできて、優れていれば嫉妬から冷たくしてしまい、同じような仲間とは一緒にいられる。そんな真理が書かれていて、悲しいです。
    自分より優れている人といると劣等感を感じてしまうのは自然なことで仕方がないのかなと思います。
    チコは羽がない時には他の鳥から優越感を持たれ、金色の羽になれば劣等感を持たれ、結局チコが選んだ道は金色の羽は貧しい人を救うために使い皆と同じ黒い羽になることでした。
    金色の羽を手にしても驕ることなく、金色の羽を持った自分だからこそできる行いをしたチコは立派だったと思います。

  • 羽のない小鳥のチコが、金色の羽に手に入れてからの、物語。

    なかなか深い本だな、という印象。
    単純に、みんなと違う事は悪いことなのか?
    っていうだけでもないし。
    「違う」ということで孤独になったりするのも、また事実。
    異質な存在を拒否する側を、一方的に責められるものでもないし。
    そういう世界の中で、周囲とのコミュニケーションをはかり、自分の個性との折り合いをつけて生きていく事が大切なんだな。

    チコは、自分の金色の羽を他人の為に使うことで黒い羽を手に入れ、その結果、仲間達に受け入れられた。
    その方法や手段は、人それぞれだし、正解もない。
    自分なりの答えを見つけることが重要なんだろう。

  • こころや考えは、誰しも自分のもの。

  • 【経緯】
    レオ•レオニ作品だから

    【書き出し】
    これは、わたしの肩にとまった
    ことりのチコが話してくれたお話です

    【感想】
    みんなと違うことが個性で素敵だとうたった絵本「コーネリアス」を書いておきながら、みんなと違うと受け入れてもらえない事実をつきつける絵本を書くレオ•レオニ。笑
    でも
    「つばさの色は変わったけど、こころの中は変えられない。感じることや考えることは、みんなそれぞれ違うはず。思い出だって見る夢だって違うんだもの」
    これに集約されるんだろうな。
    見た目違ったら受け入れられにくい現実を受け入れた上で、心持ちをどうするかが大事だよってことが言いたいんだと思った。

  • こどもに借りたが長いので、母のみ。翼のない鳥チコはきんいろのつばさをもらう。きんいろのはねをみんなのためにつかうごとにふつうのはねに。すべてはねがなくなったときには……。

  • オスカー・ワイルドの『幸福の王子』を思い出した。

  • 羽のない鳥が魔法の鳥に金色の翼を貰う話。

    葉っぱの描き込みがすごい。
    色もシックで大人っぽい。
    素敵な絵が多かったですが、美しい花嫁さんだけなんか悪そうな顔だったのが気になりました。

    幸福な王子みたいなお話でした。
    でもただ失うだけじゃなくて、黒い普通の羽に生え変わって、普通の鳥に受け入れられたので良かったです。

  • チコが、なかまのとりとからだをよせあってもなかなかねむれないのが、ちょっとさびしかったです。ぼくがチコだったら、このあと、くろいつばさでワシよりも高くとぶ。(小2)

  • 思いやり、優しさが一番ね❣️

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著者プロフィール

1910年 オランダのアムステルダムに生まれる。主な絵本作品 「あおくんときいろちゃん」(至光社) 「スイミー」(好学社)など。

「2009年 『ニコラスどこにいってたの?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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