ぼくたちの相棒

  • あすなろ書房
4.07
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本棚登録 : 52
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751527627

作品紹介・あらすじ

犬は、飼い主の帰る時間を知っているか?10歳の少年レスターとジョージは、この謎を科学的に証明するため、20日間の実験にチャレンジ。二人と二匹の特別な友情の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 犬 ペットの死 転校生 引越 友達 実験

  • 2人の男の子が、引っ越しによりそれぞれ親友や親しんだ土地とお別れをして、少なからず落ち込んだ気持ちからお話がはじまります。
    やがて2人が出会い、犬を飼っているという共通点から同じ実験を始めて少しずつ仲良くなっていく物語。

    お話は2人の日常や気持ちを丁寧に描いているので、大きな事件や盛り上がりを期待すると合わないと感じるかも。
    小さい子には退屈かもしれないけど、小学校高学年向けの本なので、そのくらいの年の子なら大丈夫なんじゃないでしょうか。
    実験をするにあたり、男の子が科学者のシェルドレイク博士に手紙を送ります。それがなんと物語の世界の人ではなく、実在する科学者なのがびっくりしました。
    物語の世界の男の子と、現実世界の科学者とのやりとりがとても面白かったです。生き物が好きな子なら、興味深い話がたくさん出てきて楽しめると思います。

    好奇心をもって考えること、疑問に思うことの大切さや神秘的な自然の姿が描かれています。

  • 転入生レスターとクラスメイトになったジョージ、二人の少年が愛犬と実験を試みる。実在の科学者、ルパート・シェルドレイク博士が考案した「飼い主の帰りの時間がわかる犬」を証明するためだ。
    ジョージとシェルドレイク博士とのメールのやりとりが挿入されており、フィクションとノンフィクションの「ハイブリット」という手法らしい。オモチロイ。
    シェルドレイク博士の「あなたの帰りがわかる犬」「世界を変える七つの実験」も読もう。ウィリアム・ロングの「動物はどのように話すか」も気になるのだが、検索しても出てこない…英語で読むしかないのか…(How Animals Talk by William J. Long)。

  • フィクションとノンフィクションの「ハイブリット」小説
    =架空の人物の物語に対して、途中にでてくる科学者ルパート・シェルドレイクは実在の人物で話の中に書かれている実験を提唱した本人。

    原題:boy's banks and Rupert sheldrake

    レスター・シューは小6 デンバーからケープコッド引っ越してきた。
    ビル・ゲイツという名のゴールデンリトリバーの血の混ざった雑種犬を飼っている。カルロスという名のオウムも飼っている。
    母からマントラを唱えると思いがかなうと聞かされ「うつろうは楽し。変わりゆくもよろこばし」を唱える。
    自分に欠けている美徳を手帳にかきとめている。
    美徳とは、自分のなかに封じ込められたすばらしいもの。「勇気、自信、忍耐、犠牲的精神・・・」
    母はヨガインストラクターで父はスポーツジャーナリスト。

    ジョージ・マッソンはバートという名の犬を飼っている。キラという女の子の友達が引っ越してしまい、ぽっかりと穴が開いた気分。おそろいの緑のミサンガを手首につけている。
    ルパート・シェルドレイク博士の本に共感しメールを送り、博士の「飼い主がいつ帰るか、犬がわかってるかたしかめる」実験を実際に行う。
    兄ザック、妹ビビアン、母はお菓子職人、父はエンジニア。

    レスターもジョージの実験に参加する。
    しかしレスターはデンバーを忘れられない。
    ジョージはキラのいない生活をどう受け入れればよいのかわからない。

    クローバー先生

    ルパート博士へのメールをはさみながら、ゆっくりとふたりが近づき、ともだちになっていく様子が温かい文章でつづられている。

    ルパート・シェルドレイク
    http://www.sheldrake.org/

    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%81%AE%E4%BB%AE%E8%AA%AC

  • 泣けた…。
    みんないい子だし、傷つきやすい、でもしなやかに立ち上がっていく様子が、感動的。
    動物と暮らすことが、人をどれだけ幸せにするか、犬に限らず、生きているものは、みんなどこか深いところで繋がっているんだなぁと思った。

  • 先生も、親もふくめて、出てくる大人たちがあたたかいな~。そのひとり、メールで相談に乗ってくれるシェルドレイク先生は、なんとこの本の著者のひとり。フィクションではあるけれども、少しノンフィクションの要素も取り入れて、犬と人の心のつながりについて、スピリチュアルに行ってしまわないぎりぎりのところで、しっかり科学的な解説をしてくれる。
    科学で把握できることと、把握しきれないこと。そして科学では説明のつかない理不尽。出会いと別れ。そんなことを深く考えるうちに、いつのまにか新しい友情が生まれ、真理にあこがれる心も育ってゆく。

    さわやかだけど深みもあって、いい物語だった。

  • レスターは、住み慣れた土地から引越しできて、不安と悲しみにとらわれていた。愛犬だけが彼の気持ちをわかってくれているようだった。ジョージの場合は、親友が遠くに引越ししてしまい、寂しさを感じていた。そこで愛犬とともに1つの実験に取り掛かることにした。犬は飼い主の帰宅時間を感じることができるのか、記録を取って証明するのだ。実験を通してレスターとジョージの間に何か大切なものが生まれ始める…。実験を軸に、出会いと別れ、人と動物、人と人との不思議なテレパシーや、前を向いて進むことの大切さが語られます。

  • YA。引っ越し。友達。犬。科学。身の回りに好奇心を持って疑問を持って探究すること。サバサバとして明るく前向きな物語だった。

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著者プロフィール

アメリカ・メイン州に生まれ育つ。コロンビア大学大学院にて史学を専攻。絵本からYAまで多数の児童書作品を手がけ、『おつきさまはきっと』(講談社)でボストングローブ・ホーンブック賞、“The Night Worker”(未訳)でシャーロット・ゾロトウ賞を受賞。『ねこくん、わが家をめざす』(BL出版)、『こぎつねはたびだつ』(ブロンズ新社)、『ぼくたちの相棒』(あすなろ書房)など邦訳書も多数。イタリア人の夫との結婚を機にローマに移り住み、現在は南フランスで家族と暮らしている。

「2016年 『たびネコさん ぐるりヨーロッパ街歩き』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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