おなかをすかせたドラゴンとためいきゼリー

著者 :
  • あすなろ書房
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本棚登録 : 93
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751531303

作品紹介・あらすじ

まっ暗な夜空に金色の三日月がのぼると、ネコの街のはずれにある公園に、大きな看板を背負った黒ネコがあらわれました。看板には、
『ためいきありませんか?大きく深いためいき、大歓迎! 』
ニレの木にはられたポスターには、
『ためいき一つにつき、ハッピーになる、あまいあまーい、黒ネコ特製水アメひとつ差し上げます! 』
どこからか集まってきたネコたちは、列を作って並びだし…。

感想・レビュー・書評

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  • ネコの街に夜な夜な現れる黒ネコのお店に置いてある水アメは不思議な水アメ。ためいきビンにため息を吐くともらえるその水アメに街のネコ達はもう夢中。それもそのはず、その水アメには黒ネコの友達、ラッキードラゴンのハッピーエネルギーが込められているから!

    薬物中毒みたいな話で、絵柄も口調も可愛らしくて読みやすいのに、ゾッとしてしいました。
    最も怖いのは、黒ネコが皆を貶めてやろうという気持ちではなく、ドラゴンを助けてあげたいという善意の気持ちから始まったことだということです。ドラゴン自身も、自分の分け与えるものがどういう副作用があるのかを分かっていないまま始めてしまい、とんでもないことになってしまいました。
    いいものも善意も、使い方を誤ったり無知のままでいればこわいものになるということが描かれたお話でした。

  • 〇本当のしあわせってなにかしら?

    ネコの町では最近不思議な水あめが売られています
    “ためいき”と交換にしあわせな気持ちになれる水あめがもらえるのです

    ひとりぼっちだった黒ネコは仲良くなったハッピードラゴンのために、みんなのためいきを集めます
    集めたためいきはドラゴンのおいしいご飯になるのです
    ためいきを食べたハッピードラゴンはしっぽにハッピーエネルギーをためて、みんなにハッピーを分け与えるのです

    良いことをしている黒ネコはしあわせ気分だったのですが、少し気になることも出てきました

  • 3.4年から。本は薄いが内容は中、高学年向け。抽象的から具体まで、幸せになる為の大事なことを伝えていて、啓発のようなお話でもある。初めの段階で物語の設定に引きこませる所が特に良い。

  • まさに光合成のようなドラゴン。ためいきを栄養にしてハッピーエネルギーをだす。後半の言葉「ためいきって、むしろ真剣に生きてるからこそつかんだ勲章みたいなものかもしれないって思えてきたんだ。」がとても良いと思いました。子どもたちに勧めたいです。
    〇小学中学年(1人読み)

  • ためいきを集めて良いエネルギーに変換させるお話だが、奥が深い。依存症という言葉がでたり、内容は高学年以上だと感じた。

  • ため息が大好物のドラゴンのために、町の猫たちのため息を集めてゼリーを作る黒猫。
    引き換えにドラゴンのハッピーエネルギー入りの水アメをもらう町の猫たちの変化に8歳の息子も真剣に注目。
    深いため息がなくなるのはいいことと単純に思っていたが、「ときにはなやむこと、考えることが必要」という店猫の言葉にハッとする。自分で努力してつかむ幸せと、ただもらうだけの幸せの違いにも気づかせてくれて、何よりため息に対しての自分のネガティブな概念を変えてくれた。
    息子がにっこり満面の笑顔になったラッキードラゴン真骨頂のラストも印象的。

  • ため息を吸ってハッピーエネルギーに変えてくれるラッキードラゴン。なんと素晴らしい!と思いきや、それに依存していくネコ達に世の大人を重ねてちょっと怖くなる。やっぱりただ与えられるだけのハッピーはハッピーじゃないのかも。
    設定が楽しい!

  • ためいきをしあわせにかえるハッピードラゴンの話。こども用に落とし込んでいる話ではあるが、考えさせられる箇所も多い。

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著者プロフィール

多摩美術大学を卒業後、永井一正氏(日本デザインセンター)のもとでアートディレクターとして活躍するかたわら、森や精霊をテーマにした作品を発表。メキシコ国際ポスタービエンナーレ展、スイスグラフィックポスター展、ADC賞などに入選、受賞。主な作品に『パップンピットのおはなし』『グリーンマジックサーカス』『MOON』などがある。

「1998年 『泣こう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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