かなと花ちゃん

著者 :
  • アリス館
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本棚登録 : 67
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784752005735

感想・レビュー・書評

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  • 富安陽子さんのお話は、どれも間違いなく、心がほっとあたたかくなるような楽しさと豊かな日本の情趣に満ちている。お人形の花ちゃんと、言葉を交わすことのできる、小さな町の八百屋の長女、四年生のかなが春の野原で出会い、二人で四季を過ごす。お小遣いをもらって縁日に出かけ、配達を手伝って幽霊に出会い、おばあさんの夢の中に入り込んで、お菓子の家のパーティに招かれる。

    この二人のキャラクターに関しては、富安陽子さんのものとしてはあまり魅力的とはいえない、あまりにもクラシックでステレオタイプなイイコちゃんぶりだと思う。

    だがやはり、日常のすぐ向こう側にある不思議な世界と関わってゆく世界の不思議で楽しい豊かさは、面目躍如。行間からあふれ出すような、しっとりとした懐かしさを感じさせるような、そんな日本の四季の光の情景描写が素晴らしい。

  • やさしくてあたたかい日常ファンタジー

    個人的に一番好きなのは、人形師のおじいちゃんに会う話。
    「不思議」と「ちょっとした怖さ」と、でもさいごにはやさしい気持ちになれる、富安陽子さん作品の醍醐味がぎゅぎゅっと詰まった2話目だったかなーと。

    あと、ラストが意外とあっさりしていたのも、個人的には好きポイントのひとつ。
    ちづるちゃん、意外とアグレッシブ笑

  • お人形をひろったかなちゃんが不思議な体験をします。
    どの体験も温かな不思議につつまれています。

  • 新聞で見ました。小学校中学年からになっていました。

  • かなは人間の女の子、花ちゃんはかなが拾ったお人形。
    人と人形の繋がりを中心に、不思議な人形たちとの出会いが静かに描かれます。
    ちょっぴり昔の日本、ほんの少しの妖しさと日常が絶妙にいい感じです。
    挿絵も雰囲気があってステキです。

著者プロフィール

1959年生まれ。1991年『クヌギ林のザワザワ荘』(あかね書房)で第24回日本児童文学者協会賞新人賞、第40回小学館文学賞を受賞、1997年「小さなスズナ姫」シリーズ(偕成社)で第15回新美南吉児童文学賞を受賞、2001年『空へつづく神話』(偕成社)で第48回産経児童出版文化賞を受賞、『盆まねき』(偕成社)により2011年第49回野間児童文芸賞、2012年第59回産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞、2021年『さくらの谷』(絵・松成真理子 偕成社)で第52回講談社絵本賞を受賞。絵本に「やまんばのむすめ まゆのおはなし」シリーズ(絵・降矢なな 福音館書店)、「オニのサラリーマン」シリーズ(絵・大島妙子 福音館書店)などがある。

「2023年 『そらうみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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