短歌の詰め合わせ (ことばアソート)

著者 :
  • アリス館
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感想 : 30
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  • / ISBN・EAN: 9784752009009

感想・レビュー・書評

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  • ベルガモットさんの本棚から読みたくて。そもそも短歌とはという所から、こんな歌もあるよという歌人たちの作品解説まで東直子さんの心配りが行き届いてる。若井麻奈美さんのイラストと4コマ漫画も良かった。図書館本だが手元に置きたい。買おう!

    • 111108さん
      好きな歌

      シナモンの香りの古い本ひらく草かんむりの訪問者たち(東直子)

      はてしなきおもひよりほつと起きあがり栗まんじゅうをひとつ喰(たう...
      好きな歌

      シナモンの香りの古い本ひらく草かんむりの訪問者たち(東直子)

      はてしなきおもひよりほつと起きあがり栗まんじゅうをひとつ喰(たう)べぬ(岡本かの子)

      好きなのかあんなところが自転車のサドルにいつも乗っている猫(池本一郎)

      海をぜんぶ吸い込むための掃除機に今朝シロナガスクジラがつまる(吉岡太朗)

      あなたまあおかしな一生でしたねと会はば言ひたし父といふ男(斎藤史)

      まっくらな野をゆくママでありました首に稲妻ひとすじつけて(佐藤弓生)

      終バスにふたりは眠る紫の〈降りますランプ〉に取り囲まれて(穂村弘)

      春の夜のシャンゼリゼエをマダム連れムッシュ・ヂラフがそゞろ歩むも(中島敦)
      2022/07/31
    • ☆ベルガモット☆さん
      111108さん、こんばんは!
      もう読まれたんですね~
      確かに4コマ漫画もかわゆくて楽しみでした。
      東直子さんの心配りが感じるあたたか...
      111108さん、こんばんは!
      もう読まれたんですね~
      確かに4コマ漫画もかわゆくて楽しみでした。
      東直子さんの心配りが感じるあたたかい本ですよね♪
      好きな歌、また読み直して新しい発見があるような気分です☆
      2022/07/31
    • 111108さん
      ベルガモットさんこんばんは!
      コメントありがとうございます♪

      面白くてぐいぐい読んでしまいました!
      それぞれの章の4コマ漫画かわいかったで...
      ベルガモットさんこんばんは!
      コメントありがとうございます♪

      面白くてぐいぐい読んでしまいました!
      それぞれの章の4コマ漫画かわいかったですよね。そして歌人たちの似顔絵も絶妙でした〜笑
      歌会など以前ベルガモットさんに教えていただいた事も載っていて、とても面白そうだなと思ったり、とにかく短歌に対する疑問がわかりやすく解説されてて、まさに先生にマンツーマンで教えてもらったような充実感がありましたよ。
      2022/07/31
  • 題名がまず魅力的です。
    お菓子の詰め合わせはどれにしようか迷う楽しさがあるので大好きです。
    どれも素敵な短歌で付箋だらけ。
    東直子さんのやさしさあふれる解説に若井麻奈美さんの可愛らしい絵で短歌の意味の解釈の可能性が示されている。
    短歌の紹介と解説だけでなく、短歌のしくみ、歴史、ドリルがあり、楽しく学べる。偉人の短歌は個性的でまた良かった。
    身近なテーマに沿って、楽しさや切なさ、面白さなど、誰かの心が詰まったたくさんの短歌を集めたそうです。

    『形をとととのえるために言葉を探っていくうちに、ちらかっていた心が整理され、また、胸の奥底にしずんでいた何かがすくい上げられていくのを体感』同感!
    『短歌を通して世界が少し違って見えてくる』素敵!
    『歌会が終わったあとは、スポーツの試合後のように爽快』その通り、気持ちの良い疲労感があります!
    短歌を作ることを歌を詠む、歌を作る、作歌するという
    オノマトペ 擬音語 擬態語
    折り句 お題を一文字目に当てはめる

    好きな歌
    食べ物
    キャベツの中はどこへ行きてもキャベツにて人生のようにくらくらとする(渡辺松男)
    ハロー 夜。ハロー 静かな霜柱。ハロー カップヌードルの海老たち。(穂村弘)
    家族
    らりるれろ言ってごらんとその母を真似て娘は電話のむこう(永田和宏)
    兄ちゃんが隣に座りすきやきを私の小さな茶碗に入れる(池田はるみ)
    自然
    「いきますか」「ええ、そろそろ」と雨粒は雲の待合室を出てゆく(木下龍也)
    あじさいが前にのめって集団で土下座をしとるようにも見える(吉岡太朗)
    喜怒哀楽
    恋人と棲むよろこびもかなしみもぽぽぽぽぽぽとしか思はれず(萩原裕幸)
    「わけもなく哀しくなる」の項目に丸をつけてる性格テスト(加藤千恵)

    すきですきで変形しそう帰り道いつもよりていねいに歩きぬ(雪舟えま)
    さみしくて貝のような息をして 瞼に君を閉じ込めてしまおう(小島なお)
    美しき人妻あらむかくてあゝわが世かなしくなりまさるらむ(芥川龍之介)
    乗り物
    どんなにか疲れただろうたましいを支えつづけてその観覧車(井上法子)
    秋分の日の電車にて床にさす光とともに運ばれて行く(佐藤佐太郎)

    北窓の光に向かう豆苗の角度は斜め六十度なり(ベルガモット作)

    • 5552さん
      ベルガモットさん、111108さん、おはようございます!

      私の実家は果物農家なのですが、毎年、季節が巡ると若芽が出てきて、花が咲き、実...
      ベルガモットさん、111108さん、おはようございます!

      私の実家は果物農家なのですが、毎年、季節が巡ると若芽が出てきて、花が咲き、実がなります。台風が来て、芽が飛ばされ、枝が折れようとも、ヒョウにたたき付けられ、実が傷つこうとも、そのサイクルは止まらない。
      植物の生き続けようとする力ってすごいな、と、思います。

      ベルガモットさん

      野菜室の様子、みなさん違いますよね。
      常備してある野菜も違いますし。
      玉ねぎは、家は台所の風通しの良い暗いところに置いてあります。
      よく腐らせるのですが、野菜室に入れれば、もうすこし寿命が伸びそうですね。

      111108さん

      家は自家用野菜を作っているんですよ。夏野菜はニョキニョキと実が育つのできゅうりとか、食べ切れなくて腐らせています。捨てるときのあの惨敗感、嫌なものですよね。もうちょっと調理に工夫を凝らしたいものです。
      『短歌の詰め合わせ』無事借りられたということで、良かったです。
      感想楽しみにしています!

      毎日暑いですが、適当に涼んで、頑張りすぎず、ほどほどに頑張って夏を乗り切りましょうね。

      お返事ありがとうございました☆


      2022/07/31
    • ☆ベルガモット☆さん
      5552さん、こんばんは☆

      素敵な歌のおかげで、「エノキダケさん、お持ち帰りしますよ」と心でつぶやいてスーパーの買い出しが楽しくなりま...
      5552さん、こんばんは☆

      素敵な歌のおかげで、「エノキダケさん、お持ち帰りしますよ」と心でつぶやいてスーパーの買い出しが楽しくなりました。

      ご実家は果物農家さんなんですね!
      巡る季節と芽、花、実がなるサイクル、台風やヒョウなどの被害のお話、農家さんの大変さも痛感し頭が下がります。

      玉ねぎなど根菜は常温がいいらしいですが、冷やした方が涙が出るのは軽減されるらしいので冷やしてます。

      自家用野菜栽培、素敵ですね!きゅうり大好きですので、お近くならお福分けしてほしいです。
      私はトマト、フリルレタスを狭いベランダで育てて収穫が楽しいです。

      昨夏から伸びたトマトの枝と実でベランダ五割占領される(ベルガモット作)

      こちらこそ、応援コメントありがとうございました♪
      2022/07/31
    • 111108さん
      ベルガモットさん、5552さん、しつこくてごめんなさい、こんばんは!

      お二人とも野菜育ててたんですねー!やっぱり観察力はそこからですね。
      ...
      ベルガモットさん、5552さん、しつこくてごめんなさい、こんばんは!

      お二人とも野菜育ててたんですねー!やっぱり観察力はそこからですね。

      5552さんはご実家が果物農家さんとは、いろんなニュース見ると簡単に「うらやましい」と言ってはバチがあたりそうですが、生命力を目で見て味わって‥やっぱりうらやましい。それを受け継いでの自家用野菜栽培なんですね。食べ切れなくて‥は買ったのといただきものとがかぶってダメにしてしまうことも時々ある私には耳が痛い話です。

      ベルガモットさんも何とベランダでトマトとフリルレタス栽培もされてると。ベランダ五割占領はなかなか壮観ですね。5552さんの歌を心でつぶやいてスーパーの買い出しが楽しくなるの、私も真似してみます♪

      暑い暑い一日でしたが、お二人のお話でちょっと涼めた気がします。またお二人の短歌楽しみにしてます。ありがとうございました(´∀`)
      2022/07/31
  • 短歌に興味のある人も、まだない人も。
    きっとこの本を読めば、短歌ってなんかおもしろいかも…?!とおもってしまうハズ!

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    かわいいお菓子の絵が並ぶ表紙と、「短歌の詰め合わせ」という美味しそうな(笑)タイトル!
    東直子さんの歌集かとおもって手に取りましたが、「短歌を身近に、よりたのしむ」ためのまさに「詰め合わせ」本でした!

    この本には「そもそも短歌とは?」「短歌の歴史」「歌会とは」「短歌レッスン」などなど短歌の基礎知識だけでなく、上の句と下の句を結んだり、穴あきの短歌に文字を埋める「短歌ドリル」など、短歌を遊びながらたのしむ工夫が満載!
    ドリルは徐々に難易度が上がっていって、さてどれだろう??と考えるのがたのしかったです。

    また「食べ物」「動物」「家族」など8つのテーマにわけて、現代の歌人による短歌もたくさん紹介されています。
    短歌の横には岩井麻奈美さんのかわいいイラストと東直子さんによる短歌の解説も…!!
    イラストがあることにより堅苦しさが和らぎますし、意味の取りにくい句は東さんの解説によって見方がわかります。
    ページの下には歌の出典・作者の簡単な紹介もあるので、気になった歌人の歌集をたどっていくこともできます。

    さらに巻末にはイラストを書かれた岩井麻奈美さんのページもあり、なんというか、最初から最後まで柔らかくたのしんでいこうとする姿勢が、伝わってきました。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    この本に紹介されている歌を選ぶために、東さんはこの何倍もの句集を読まれたはず。
    そして、1つ1つの歌を読み込み、解説を何度も何度も書かれたのではないでしょうか。
    さらには、堅苦しさをとっぱらって短歌をたのしんでもらうためには、どう伝えたらいいだろう?どんな工夫をしたらいいだろう??と考えに考え抜かれた上で、この構成を生み出されたのではないかとおもいます。

    この本を読むと、東さんの「」短歌という歌のおもしろさ、奥深さをいろんな人に届けたい」という情熱を、ひしひしと感じます。
    短歌の本、まずはどれがいいかな??と聞かれたら、この本!!というくらい、いろんな方にオススメしたい本です。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    【蛇足・好きな短歌を前半よりちょこっと3首紹介!】

    ・好きなのかあんなところが自転車のサドルにいつも乗っている猫(池本一郎)(30ページ)

    →あんなところってどこだろう?!とおもって読んでいたら、最後に「猫」ときて、サドルにいたのは猫なのか!人間が相手かとつい思い込んで読んでいたので、話猫が出てきて「あっ」となってしまったところも含めて好きな歌です。

    ・人はみな馴れぬ齢を生きているユリカモメ飛ぶまるき曇天(永田紅)(37ページ)

    →「人はみな馴れぬ齢を生きている」ときて、ハッとしました。いくつになってもそれは自分にとってははじめて迎える齢。だから、その齢を生きるのに四苦八苦して当然なのだなあ…とおもえました。

    ・秋の雲「ふわ」と数えることにする 一ふわ二ふわ三ふわの雲(吉川宏志)(74ページ)

    →雲を「ふわ」と数えるぞ!と言いきるところが、かわいくて好き。「ふわ」という単位も、いままで自分のなかにはまったくなかった単位で、そうか、そう数えてもいいんだと、ハッとさせられます。世の中の正しさとかから一瞬離れて、自分のなかに浮かんだ感性を大事にしてもいいのかもしれないな…とおもえてくる歌でした。

    この他にもたくさんの好きな歌があり、紹介しきれず!!
    いくつか書き出した歌を眺めていたら、自分の好きな歌の傾向もわかってきました(喜)

  • 短歌をどう楽しめばよいのか、を教えてくれる本。
    ピックアップされた歌について著者が解釈を書いてくれている。正直それがなかったら短歌ひとつ読んでもそこまで思いつかなかった。歌に込められた別のもっと深い意味や、背景の景色、言葉遣いの面白さなど、解釈の仕方を教わり、こういう風に楽しめるのかと目からウロコ。短歌って、おもしろい!と素直に思った。おもしろい!どころか、もっともっと価値があるように感じた。私の日常にある小さな細々した隙間を埋めて、心をより豊かにしてくれるような、代替のない文化。

  • おいしそうなカバーに惹かれてのジャケ買いだけれど、中身も読みやすくすてきな短歌入門書。明治から現代までのさまざまなタイプの歌人のいろんな作品が「食べ物」「動物」「家族」「恋愛」といったいくつかのテーマごとに詰め合わされていて、自分の気になる歌人にであえたら個人の歌集にすすむ、といういい入口になりそう。簡単な短歌の歴史、作り方や技法を練習問題形式で学べるコラムも楽しい。
    しかし娘も私もいちばんのお気に入りは、なんといっても各章のとびらにあるかわいい四コマ漫画かもしれない…

  • (2023/9/12読了)
    まことさんの「短歌タイムカプセル」の感想を拝見し、本棚に収納。まだ読めていない。
    その著者の1人である東直子さんの本作を図書館の書架で見つけて借りてみた。
    短歌のわかりやすいテキスト。とても優しい説明と、若井麻奈美さんの可愛い挿絵で楽しく読める。
    短歌に少しでも興味がある若い年代に読んでほしい。
    もちろんどんな年代でも楽しめるけど、短歌の世界に一歩踏み出すきっかけに、きっとなる。
    好きだなと思った短歌と作者は、メモに収録済。(あとで再読したい)
    その中の、すごく情景が浮かんで胸に響いた作品は、
    【終バスにふたりは眠る紫の〈降りますランプ〉に取り囲まれて】 穂村弘 シンジケート
    【我といふ人の心はたゞひとりわれより外に知る人はなし】 谷崎潤一郎 岡本にて
    谷崎潤一郎さんが新聞記事に書かれていた言葉も紹介されている「元来歌は巧拙より即吟即興が面白いので、小便をたれるように歌をよんだらいいのである」"歌に対する天真爛漫な自在な思いが伝わります…自分の想いは自分にしかわからないという孤独感も伝わります"と解説されている。

  • 秋に読むのがちょうどいいのかなと思って!

  • 短歌にほとんど触れたことがなかったけど、入門としてとても良い本でした。いろんな人の短歌を説明付きで紹介してくれるので、短歌の見方の基本的なことがかわいいイラストに癒されながら学べます。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/787303

  • 短歌の入門書として最適だった。
    お気に入りの短歌をメモとして残す。

    お気に入り5選 2023.4.7
    ・人生のここがいちばんいいところうきうきとして牛舌に塩 (小池純代『雅族』)
    ・「いきますか」「ええ、そろそろ」と雨粒は雲の待合室を出てゆく(木下龍也『きみを嫌いな奴はクズだよ』)
    ・どんなにか疲れただろうたましいを支えつづけてその観覧車(井上法子『永遠でないほうの火』)
    ・消えてゆくはずの予感に守られて砂糖菓子から美がやってくる(井上法子『永遠でないほうの火』)
    ・鳳仙花はじけるそれをはじまりの合図と呼んで夏への助走(田中ましろ『かたすみさがし』)

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著者プロフィール

歌人、作家。第7回歌壇賞、第31回坪田譲治文学賞(『いとの森の家』)を受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』、小説に『とりつくしま』『ひとっこひとり』、エッセイ集に『一緒に生きる』『レモン石鹼泡立てる』、歌書に『短歌の時間』『現代短歌版百人一首』、絵本に『わたしのマントはぼうしつき』(絵・町田尚子)などがある。「東京新聞」などの選歌欄担当。近刊にくどうれいんとの共著『水歌通信』がある。鳥好き。

「2023年 『朝、空が見えます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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