- Amazon.co.jp ・本 (530ページ)
- / ISBN・EAN: 9784754100452
感想・レビュー・書評
-
読みものとしてのレビューは置いておいて
渋沢栄一さん、松下幸之助さん、稲盛和夫さんの思想のルーツであろうと思われる二宮金次郎さんの『報徳思想』。後の影響と相対的に、あまりにも知られていないと思います。
二宮金次郎さんの生涯を知ることのできる一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
・「積小為大」
大きいことをしたいと思えば、小さいことを怠らずに勤めなくてはならない。
・年貢を取られる仕事に、自分の労働力を投入しない。
・二宮金次郎の教えは「経済と道徳の一致」であるが、その原点は、
「五常講貸金」にあるといってよい。
仁義礼智信の5つの徳を守れる人だけを会員にする。
きわめて倫理性の強い、すぐれた信用システム。
・物を担保とするのではなく、心を担保に貸す。
・「分度」とは、自己の能力を知り、それに応じた生活の限度を定めること。
・綿密な事前調査、分度の決定、権限の一元的掌握が、復興成功の秘訣。
・分度という方法によって、百姓一揆では成功しなかった
「合法的大減税」をやり遂げた。
・「一円観」 互いに対立するものは、いずれもそれぞれ円の半分である。
反対者には反対の理由があり、反対者がでることは、
まだ自分の誠意が足りず、反対させる原因が自分のほうにもある。
・宇宙間すべてのものに徳があるとし、その徳を引き出す、顕現するのが
人間であり、その徳を引き出す行為を「報いる」としている。
報徳の実践に当たっては「至誠、勤労、分度、推譲の実行が報徳」
人間が働くのはただ自分のために働くのではなくて、
他の生命のために働かねばならぬ。これが他の恩に報いる報徳なのである。
・分度があるから分度外が生じるのであって、
分度の本当の狙いは「分度外」にあるのだった。
・人が困っている時に憐れみをかけて、これを助けるのが人の道なのに、
人が困っているときこそ商売をして自分だけが儲けるのは
「天道廃絶」というべきである。
・とれたものを全て食べてしまってはだめだ。ほどほどの所で食べて、
あとは残しておく。その残したものを、世のために蓄積していくことが大切。 -
名著。表紙とタイトルを改良すればもっと広まるのにと惜しい著書。
-
この人の偉業、いまさらながらすごいですね。恥ずかしながら、二宮金次郎の詳しい業績を知らないままだったのですが、いまだに多くの信奉者がいるのがよくわかりました。農村復活の過程やプロセスはまさに艱難辛苦。現代社会にも起こりがちの多くの試練や反対に腐心しながらも成功事例を積み上げていく様は、おおくの社会人の教訓ですね。
至誠・勤勉・分度・推譲
戦前のようにもっと日本の教育に活用されるべきだと思います。
史跡巡りをしてみたいな。 -
至誠・勤勉・分度・推譲の実行が報徳の生き方。
二宮金次郎の生涯を通じての報徳精神が伝わります。 -
「至誠 勤労 分度 推譲」
-
二宮金次郎といえば、その昔はどこの小学校にもあった薪を背負って本を読みながら歩いている少年の銅像のイメージしかなかったので、報徳運動と呼ばれる農村復興のことや、金次郎の滅私奉公(まさに公儀に奉仕する)の至誠、身体も精神も大きかったことなどを、この本を通じて初めて知った。
勤労、分度、推譲、積小為大、一円観といった尊徳の思想、困窮に対する仁政など、エピソードから理解できた。
二宮尊徳の人生全体を語るには本書の体裁になるのかもしれないが、その偉大さを伝えるにはもっとコンパクトな方がよいと感じた。
09-80