時代を読む 経済学者の本棚

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  • NTT出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757122864

作品紹介・あらすじ

歴史はやはり繰り返すのか。日本が今も漂う「失われた20年」とは。百数十冊の経済書が語る、書評の中の同時代批評。著者初めての書評集。

感想・レビュー・書評

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  • あらゆる所に根井先生のセンスが光る良書である。じっくり研究したい。特に経済理論家には数学理論だけでなく、第二外国語も含めた語学力が必要という意見が印象的だった。

  •  2011年から読んで、2012年第一号の読了です。

     1990年代初頭のバブル崩壊から、2011年の「失われた20年」とも言われる期間の毎年の景気状況や経済課題の説明の後に、その年に、著者が書評した経済書についてのその書評をセレクトしまとめたものです。

     1992年~2011年の毎年の書評のセレクト版ですが、まず印象に残ったのが、改めて、ケインズのすごさというのか、新ケインズにしろ、反ケインズにしろ、結局ケインズが出てくることのすごさを思い知らされます。良くも悪くも議論は、ケインズを軸にして回るというものなんだろうかと

     こうやってその年の景気状況と重ね合わせながら読むと、経済学と時代の要請がわかり、より理解が深まります。

     日本の不況の原因を探る
     シカゴ学派、市場原理主義
     その市場原理主義に対する反撃
     リーマンショック後のケインズの復活
     ケインズを巡る議論

    と、こうやって経済書を読めば、もっと理解が深まっていたんだな、読んでいてうらやましくも思いました。
    依然読んだ書籍を改めてその書籍が出た時代や流行った時代と合わせて読み返したいと思うとともに、興味があったが読んでいなかった経済書について読んでみたいという出会いを得ることができました。

    「失われた20年間」と呼ばれる1990年初頭から今までを振り返る上で指針になる1冊だと思います。

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著者プロフィール

1962年、宮崎県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、京都大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。現在、京都大学大学院経済学研究科教授。著作に、『今こそ読みたいガルブレイス』(集英社インターナショナル新書)、『英語原典で読むシュンペーター』(白水社)、『現代経済思想史講義』、『経済学者の勉強術』、『来るべき経済学のために』(橘木俊詔との共著)、『ブックガイド基本の30冊 経済学』(編著、以上四冊は人文書院)など多数。

「2021年 『16歳からの経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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