難破する精神:世界はなぜ反動化するのか

  • NTT出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757143494

作品紹介・あらすじ

アメリカ大統領選中に緊急出版され、トランプ現象の背景にある政治的反動という思想背景をときあかし、ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズ、フィナンシャル・タイムズ、ニューヨーカーなどにとりあげられ、アメリカの論壇で大きな論争を巻き起こした一冊。

宗教が確固たる信仰のシステムもっていた時代は、神の超越性のもと人間の存在は盤石であった。人間理性中心のヒューマニズムにもとづく近代世界は、ユートピアという未来にむかって、より豊かにより善き生を、不断なく目指すことによって、人間の存在は保たれていた。
しかし、宗教もヒューマニズムも力を失い、向かうべき理想・未来がなくなったうえ、経済的にも沈下し、埋めがたい格差が広がっている。人々の精神は、寄る辺を失い、彷徨っている。人々は自らの実存を保つために、現在の価値観・システムを否定し、失われた過去の栄光にすがりつき、その再現までも試みはじめた。
本書は、反動思想の源流に遡ることによって、現在世界的に猛威をふるうその思想背景・本質を明らかにする。

☆反動(reactionary)とは?
フランス革命の際に生まれた歴史・政治用語で、革命勢力から見て反革命的な姿勢、行動のこと。現在では、アメリカの保守的な人々や、ヨーロッパの民族主義者、イスラームのジハード主義者など、広く既存の社会秩序・システムへの不満を表明する人々にたいして使われている。その思想的な特徴としては、「革命」がイデオロギーにのっとった未来やユートピアへの期待や願望の実現を目指すものだとすれば、「反動」はそれへの幻滅であり、過去へのノスタルジーとして現れる。

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架 311.2A/L62n//K

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著者プロフィール

コロンビア大学教授。1956年、ミシガン州デトロイト生まれ。ネオコン系の「パブリック・インタレスト」誌、元編集委員。専門は政治哲学、政治神学。哲学あるいは宗教と政治権力の行使の関係を大きなテーマとして研究している。New York TimesやNew York Review of Booksなどに寄稿。著書に、『シュラクサイの誘惑』(日本経済評論社、2005)、『神と国家の政治哲学』(NTT出版、2011)など。

「2017年 『難破する精神 世界はなぜ反動化するのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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