ガブッ!とわかる世界一やさしい行動経済学の教室

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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757219045

感想・レビュー・書評

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  • 身近な事例と併せて書かれているので、行動経済学の導入書としては良かった。

  • 行動経済学というと分かりにくいのですが、
    我々がとる経済行動について身近に感じることを
    平易に書いてあり、非常に面白いです。

    経済学の理論とかに関して無知でも、自己の
    何気ない行動が説明されているので、
    目から鱗になることは必至。

  • Don't be fooled by TV shopping to shop.

  • 本当に優しくてわかりやすかった

  • ガブッとわかった

  • 行動経済学の基本的なことがわかりやすく書かれていて良かった。具体例なども豊富で初めて学ぶ人にはオススメ

  • 2013/2/10にも一度読んだ

  • 行動経済学の入門書的一冊。
    自分の何気ない行動もある視点から見るとこういう風に判断できるのかと目から鱗のことばかりでした。
    読んでおいて損はないはず。

  • 副題に「世界一やさしい」「ガブッ!とわかる」とある言葉の通り、行動経済学についてわかりやすく書かれた入門書。高校生の子どもにも勧めたくなる。

    まず、書籍としての導入が上手い。

    ”はじめに”で、「なぜあなたはお金を貯められないのか?」「お金を貯めるために行動経済」と書かれて、いったいどれだけの人が抗えるだろうか? 

    お金は万人共通の悩み、その悩みに対して、「ここに答えがありますよ」と誘い、行動経済学という「言葉としての目新しさ」「納得性の予感」「これまでとの違い」で訴求してくるのだ。

    本論では、”はじめに”でざっと触れた内容が、丁寧に、そして具体的な例で語られていく。

    重要な概念は、すこしづつ表現や例を変えながら、わかりやすく記述されている。よい教科書の形がここにある。入門書としての教科書はかくあるべしと言う構成なのだ。高校の頃にこんな本に出会っていたら、その後の人生の進路を変えたかもしれない。そしてなにより、もっとお金が貯められたかもしれない。

    記述されている内容は、入門書とはいえ、十分に大人である我々の知的好奇心を満たしてくれる。

    たとえば、テレビショッピングとは、どのような構成で人々の購買に影響を与えているのか?

    それは決して商品の連呼でも、わざとらしい「素敵~」というゲストの言葉でもないことが、本書の中で明らかになる。。スーパーについても同様だ。

    この本を読んだ後では、街を歩いても、スーパーで買い物をしていても、行動経済学の言葉で世界を再構成することが止められなくなる。世の中に存在する見えない仕掛けを、自分の目で発見したくなる。

    「フレームとは、意思決定(選択、判断)のために与えられる情報が提示、表現される方法のこと。情報の提示・表現の仕方や情報の受け手の意識によって、意思決定に大きな違いが生じる」

    フレームを外して世界をみるためには、自分自身のフレームが意識できなくてはならない。本書は、行動経済学の入門書として、その最初の一歩を与えてくれている。

  • 行動経済学について挿絵もついていて簡単に解説していて読みやすい本。

    内容に関して
    行動経済学は人間を不合理のかたまりとして、現実世界での経済活動をどのように振る舞うかを研究するものだ。
    ここでは、なぜ人はギャンブルにはまるのか、テレビショッピングで買い物するのか、宝くじを買ってしまうのかなどが説明されていた。テレビショッピングに関していえば、紹介される商品はひとつで、最初にその商品の定価での値(一般的な値段)を視聴者に印象付ける。その後、その価格よりも安い価格を提案する。人間は何かを判断する際に最初に得た情報を基準に比較し、行動する傾向がある。最初に提示された値段を基準にすれば、次に与えられた値段が少しでも低くなったことでとても安いと感じ、購入する。そして、購入後は家電量販店に行った際などに値段は比べず、なにかと自分の選択が正しかったことを裏付ける情報ばかりを集める。これを確証バイアスという。
    このように、人間は最初に与えられた情報を1つの参照基準にし、それと比較し選択を決めることをアンカーヒューリスティックスという。他にも、ある物事の判断の際に一部の様子を見てそれが全体の代表と考える代表性ヒューリスティックス。心に浮かびやすい事象や記憶を過大に評価する想起ヒューリスティックス。ヒューリスティックスとは限られた時間で直感的に意思決定する際の基準、いわば思考のショートカットだ。
    例えば代表性ヒューリスティックスの例で、宝クジを買うのに、この売場から2億円が出たという張り紙を見て、合理的に考えればあたらない宝くじをこの店で買えば当たるとその張り紙を見て思い、買ってしまう。張り紙という一部分が、宝くじが当たることの代表のように感じてしまう。
    また、宝くじの一等は1000万分の1の確率だといわれている。このように実際に起こりうる確率を客観的確率といい、自分が感じる確率を主観的確率という。人間は客観的確率が低いほど、主観的確率が上がり、客観的確率が高いほど、主観的確率は低い。つまり、人間は小さい確率を課題評価してしましまう。
    他にも以下のようなものがある。
    価格が高中低と3つあれば真ん中を選択する人が多い。このように真ん中を選ぶのを極端の回避という。
    人間は何かを手に入れたとき、それを保有していないときよりもその物の価値を過大評価することを保有効果という。そして、それを手放すことを損失と考え、損失を回避する(損失回避)。この保有効果を上手く利用したのが、通販などであるお試し期間である。お試しだからと一旦取り寄せると、保有効果が働き、手放すことを損失と考えるのでほとんど返品しなくなる。
    人間は利得や損失の小さな変化には敏感だが、変化が大きくなれば反応は鈍くなる。これを感応度逓減性という。これによってギャンブルで大損しても損をしても損失を感じにくくなってしまう。

    この本ではほかの現象も取り上げられていて、僕が特におもしろかった箇所をまとめてみた。行動経済学は心理学のようで、人間は、実際には限定的に合理的に行動していると思った。人はさまざまな誘惑、欲求に流され行動するもので、そりゃお金貯まらんわって感じ。お金を貯めるには不合理な現象があると理解し、できるだけ客観的確率を考えたりすることが貯金の近道と思った。一歩とまって合理的になってみる。実際できるかは分からんが。でも、あまりに合理的になろうとすれば逆に、混乱し判断できなくなりそう。実際に本の中にも、選択肢が多いほど迷う時間が増え、多すぎて自分の納得する合理的な理由が見つからず選択しない(選択麻痺)という事象もある。その点、テレビショッピングは選択肢は1つで、迷わないのでうまいなと思う。ただ、宝くじやテレビショッピングなどがいかに上手く人の心を掴んで商売しているかが少しは分かった気がする。そいう仕組みだと多少知れたのはおもしろかった。これで行動経済学が分かったというわけではないけど、新鮮な感じでおもしろかった。

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著者プロフィール

早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授1948年、東京生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科博士課程中退。学術博士(早稲田大学)。専門は、アジア太平洋地域の国際交流論、経済学教育論。主な著書に『アメリカの高校生が読んでいる資産運用の教科書』『ガブッ!とわかる世界一やさしい行動経済学の教室』(小社)などがある。

「2013年 『アメリカの高校生が読んでいる経済の教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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