ZONE 豊洲署刑事・岩倉梓

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.56
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本棚登録 : 192
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758411998

作品紹介・あらすじ

東京都江東区豊洲は、日本全体が少子化と人口減に悩まされる中、空前の人口増と再開発に沸き立つ。人口8万人から20万人へと急成長する都市に現れてくる日本の歪みと希望。新たに設置された豊洲署生活安全課の刑事・岩倉梓のもとに持ち込まれてくる数々の事件。"児童ネグレクト""貧困老人の孤独死""震災詐欺"-。本格派が描く、新世代警察小説。

感想・レビュー・書評

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  • 女性刑事が主人公で、殺人事件は(殆ど)出てこない。
    故により日常に近い事件が淡々と描かれている。ともすると地味とも取れる。
    比べるのも難だけれども
    個人的には誉田哲也氏の『ドルチェ』シリーズと似てる気がした。
    それはつまり、かなり好きなタイプの話であるということなんだけれども。
    梓と佐々の関係性も『ドルチェ』の魚住と峰岸の関係性に(勝手に)重ねてしまい
    内心ほくそ笑みながら読んでる怪しい人になっていたという(爆)。

    ママ友同士の確執、バリキャリママに梓が抱いてしまう劣等感、
    ストーカーを逆手に取るしたたかさ、活き活きとボランティアに勤しむ老婦人、といった
    細かい描写と心情のリアルさに圧倒されたが
    このリアルさも作者が女性だから、ということと大いに関係あるんじゃないかと思う。

    右京さんばりに細かいことが気になる悪い癖(笑)が発動してしまい
    第3話が『2011年3月』となっている割に震災に一切触れていない辺りに
    (しかも次の章からはガンガン触れているのにもかかわらず)
    若干の違和感を感じていたが
    桃花祭が3月10日以前だったんだな、と納得することにした。

    豊洲署が新設されたばかりということだし
    このシリーズはもっと続く、と思っていていいのだろうか。
    願わくば岩倉梓という人の物語をもっと読みたいと思う。

    全く関係ないけど
    『靴ならひと目で革の品質や、縫製、型の良し悪しなど見わけがつく』
    梓はすごいと思う。
    実家が靴メーカーだからってちゃんと見分けられるようになるとは限らないぞ。
    あたしも靴職人の娘だけどひと目見ただけじゃ判んないもん(爆)。

  • なかなか面白かった。それぞれの事件の短編集だが、普通の刑事ものにはない不思議な温かさがある。あっという間に読める作品だった。短編のそれぞれのタイトルは少し捻りすぎかな?

  • 3.5 じっくり読んでじんわり感じる小説。たまにはこういうのも良いもんです。

  • 連作短編集。人口増と再開発に沸き立つ東京江東区を舞台に、生活安全課刑事、岩倉梓の活躍を描く。児童ネグレクト・貧困老人など日々の生活にある事件を丁寧に解決していく話。登場人物の気持ちとか様子が現実でもよくありそうで(特に幼稚園の「ハーメルンの母たち」)、ストーリーを楽しむと同時に納得しながら読んだ。
     

  • う~ん、なんだろう?福田さんの作品らしからぬ、という感じ。主人公に寄り添うことができなかったな。淡々と進むお話。

  • 生活安全課の刑事物って珍しい。
    とても面白かった。

  • 5つの話が収録されている、ドラマチックな事件は特に起きないサラリと読める警察小説。しかし、個々の事件は現代社会の問題点を取り上げた考えさせられる内容で、特に第5話は助けてと言えない30代を題材としていて、同世代としては明日は我が身と怖くなった。

  • 先日読んだ『サイバー・コマンドー』が面白かったので、図書館で福田和代さんを借りてくる。
    女性刑事が活躍。
    警察は男性社会なんだろうな? と想像するけれど、そんな世界だからこそ女性が重宝されるのではないだろうか?

  • (収録作品)橋向こうのかぐ/樹下のひとり法師/ハーメルンの母たち/鏡の中のラプンツェル/路傍のハムレット

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著者プロフィール

福田和代一九六七年、兵庫県生まれ。金融機関のシステムエンジニアとしての勤務を経て、二〇〇七年、航空謀略サスペンス『ヴィズ・ゼロ』でデビュー。主な著作に『TOKYO BLACKOUT』『ハイ・アラート』『怪物』『迎撃せよ』『潜航せよ』『生還せよ』『繭の季節が始まる』『梟の一族』など。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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