名古屋駅西 喫茶ユトリロ (ハルキ文庫 お 4-3)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.43
  • (11)
  • (41)
  • (56)
  • (12)
  • (0)
本棚登録 : 408
感想 : 57
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758440554

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 名古屋「賑わっていない方の口」に存在する昭和レトロな喫茶店『ユトリロ』にはユトリロの絵(伝・複製画)が飾ってある。
    東京生まれの鏡味龍(かがみ とおる)は、祖父母が経営する住居兼喫茶店「ユトリロ」の住居部分にこの春から下宿している。
    個性豊かな常連さんたちは、おおむね高齢。
    にぎやかなおしゃべりの中から、龍はたびたび「謎解き」を持ちかけられる。

    いろいろ中途半端な気もしないでもないが、ゆるく楽しめる。
    とくに、名古屋の食文化が謎に絡めて紹介されており、これは、一度まとめて食べにいかないといかん!という気になる。
    明壁麻衣先輩の個性が際立っていて、「さし色」的存在。
    オチはやられたわ~

    第一話 手羽先唐揚げと奇妙なイタズラ
    可愛いお話。
    骨は分かるが、ピンポンしなければいけない訳が謎。

    第二話 カレーうどんとおかしなアフロ
    向かい合ったそっくりなアフロの若者がカレーうどんをすする。シャツの染みまでそっくり?

    第三話 海老フライ(えびふりゃー)と弱気な泥棒
    警備員を務める常連さんが夜警で泥棒を捕まえた。
    泥棒は「あんたはえびふりゃーだ」と言う謎の言葉を残す。
    ネタにされる名古屋人の気持ち、埼玉県民としてはちょっと分かります(笑)

    第四話 寿がきやラーメンと家族の思い出
    小さな事件に絡めて、龍の事情が語られ始める。

    第五話 鬼まんじゅうと縁結びの神
    常連さんの中では珍しく(!)若い、本間さんの恋の悩み。
    こういう男、多いーーー!

    第六話 味噌おでんとユトリロが似合う店
    紳士さんの謎が解ける。
    続編あったら読みたいですが…この流れは…どちらともいえない。

  • たまりませんわ、いや、ほんと。
    当然と言えば当然なんですけど、名古屋弁も過不足なく自然で(これ実はすごいことなんですよ。名古屋弁、地元の方が書いても大袈裟になっちゃうんです)なめらかで。
    私はネイティブなごやんじゃないのでうまく使いこなせませんが、こんな風にみんな言ってるよね?というなじみのある言葉があちこちにでてきて。

    そして、出て来るお店も知ってるところも知らないところも魅力的で、出て来る名古屋めしもいますぐ食べたくなる!

    太田さんならではのひねりの効いた謎解きも楽しくて、一緒に頭を回転させながら読んでいました。
    楽しくておいしくて温かい。名古屋おいしい謎解きミステリ、はやくたくさんの方に召し上がっていただきたい!!

  • 2016年12月ハルキ文庫刊。書下ろし。シリーズ1作目。6つの連作短編。名古屋めし満載のミステリー。親戚の喫茶店に下宿して、名古屋大学に通う学生が主人公の名古屋グルメとコージーミステリーなストーリー。軽いのだが、なかなかに楽しめる。謎めいた登場人物達の素性が明らかになってしまって、一区切りついた感がある。次巻が気になります。

  • 名古屋を扱うドラマはなぜかみな「やっとかめ探偵団」になってしまうの法則。

  • 喫茶ユトリロ。
    なんて楽しい喫茶店。
    あんなに個性的なお客ばかりのお店、実際に行くのはパスだけど(笑)
    経営者である祖父母と同居の龍くん。
    彼を経由して常連客の謎を解く謎の美女明壁さん。
    名古屋&ドラゴンズ愛が半端ない。
    最後のあれはびっくり。お相手はーーー?
    お店の将来も気にかかる。続きがあるといいのだけど。
    あとびっくりは海老フライねた。そうかー、発信者はあのお方なのか。

  • 名古屋名物がいろいろ詰まった日常の謎もの。太田忠司さんなので品質は保証されていて、面白かったです。続きも読もう。

  • 作者お得意の名古屋もんのライノベ。寿がきやは関西にも多いし、一時よく食べてた時期もあったので懐かしい。殺人とか警察が絡まない話なのでそれもいい

  • 名古屋めしの紹介がこの作品の主題だろうか?
    話の前半と後半で話の濃度が雲泥
    全体通しては読後感は良い

  • 最後の落ち方が意外だった。
    この期に及んで結婚してたとか。
    名古屋飯美味しいよなあ。

  • 二作目にあまり名古屋めしが出てこないことに
    少しとまどいを覚え、調べてみたら一作目を
    読み飛ばしていたことに気づいて慌てて購入。

    そのおかげで、二作目ではもう名古屋めしは
    モチーフにすらほとんどなっていないことにも
    気づくことができた。

    シリーズとしてのメインテーマは
    龍の抱える問題が、多くの人との関わりの中で
    少しずつ解きほぐされていく…そんな展開を
    見据えて設定されているのだろうか。

    本当はもっと、昔ながらの喫茶店の空気も
    感じたいし、名古屋めしのトリビアにも
    たくさん触れたかった。

    よって、二冊のレビューはこちらで。
    物足りなさを感じつつ二冊を読了。

全57件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1959年名古屋市生まれ。名古屋工業大学電気工学科卒業。81年「星新一ショート・ショートコンテスト」で「帰郷」が優秀作に選ばれる。その後、会社勤めをしながら「ショートショートランド」「IN★POCKET」にショートショートを掲載。1990年、長編ミステリー『僕の殺人』を上梓してデビュー。2022年『麻倉玲一は信頼できない語り手』が徳間文庫大賞2022に選ばれる。

「2022年 『喪を明ける』 で使われていた紹介文から引用しています。」

太田忠司の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
辻村 深月
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×