ふんわり穴子天: 居酒屋ぜんや (ハルキ文庫 さ 19-4 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.65
  • (24)
  • (75)
  • (68)
  • (7)
  • (1)
本棚登録 : 530
感想 : 55
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758440608

作品紹介・あらすじ

寛政三年弥生。預かった鴬を美声に育てて生計を立てる、小禄旗本の次男坊・林只次郎は、その鴬たちの師匠役となる鴬・ルリオの後継のことで頭を悩ませていた。そんなある日、只次郎は、満開の桜の下で得意客である大店の主人たちと、一方的に憧れている居酒屋「ぜんや」の別嬪女将・お妙が作った花見弁当を囲み、至福のときを堪能する。しかし、あちこちからお妙に忍びよる男の影が心配で…。桜色の鯛茶漬け、鴨と葱の椀物、精進料理と、彩り豊かな料理が数々登場する傑作人情小説第二巻。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 謎が謎呼ぶ

  • 2023.9.21 読了。
    鶯を美声に育てることを商いにした家督を継げない武士の家の次男として生まれた林只次郎に行きつけの未亡人美人女将がいる居酒屋で、常連客や出会った人々と美味しい心尽くしの料理が物語を進めていく「居酒屋ぜんや」シリーズ第2弾。

    現代より世に食材が溢れていなかった時代に丁寧に作られていく料理の数々はとにかく美味しそうでヘタな料理本より食欲をそそるし作ってみたくもなる。料理の腕があるのに決して傲慢な態度にならずいつも食べる者への心配りを忘れないお妙さんは素敵な女性。
    そして前作から軽やかに繋がっていく問題もミステリー要素があり続きも読みたくなる。

  • 前作と間が空いたから、いまいち思い出すのに時間かかった。

    相変わらずごはん美味しそうだなぁ。
    桜鯛の胡麻漬け、蛸の柔らか煮、穴子の天ぷら。
    読んでるだけでお腹空く。

    大きく物語が動かなくても面白い。
    すごい。

    それにしても全く男として意識してもらえてないのか…かわいそうに。そんなはっきり書かれると思わなかった。だとしたらちょっとズルいひとだ。不思議と嫌いにならないけど。


    若干の不穏さを残して次の巻へ。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    寛政三年弥生。預かった鴬を美声に育てて生計を立てる、小禄旗本の次男坊・林只次郎は、その鴬たちの師匠役となる鴬・ルリオの後継のことで頭を悩ませていた。そんなある日、只次郎は、満開の桜の下で得意客である大店の主人たちと、一方的に憧れている居酒屋「ぜんや」の別嬪女将・お妙が作った花見弁当を囲み、至福のときを堪能する。しかし、あちこちからお妙に忍びよる男の影が心配で…。桜色の鯛茶漬け、鴨と葱の椀物、精進料理と、彩り豊かな料理が数々登場する傑作人情小説第二巻。

  • 預かった鶯に美声を教え込む仕事で家計を支える、旗本の次男坊・林只次郎。
    片思いの美人女将・お妙の居酒屋「ぜんや」に通うのが楽しみで……。

    シリーズ第2作。

    おいしそうな料理の描写がある小説は数多くあるが、この作品は抜きんでている。

    食材を生かすための、創意工夫。
    食べる人のことを考えた配慮。

    料亭のような豪華さではなく、日々の中にある料理だからこそ、身近で魅力的。
    読んでいると、こちらも何か食べたくなってしまう。

    基本的には「ぜんや」に関係する人たちのあたたかさで支えられるストーリー。
    が、時折不穏な影のよぎるのが気になるところ。

  • ルリオが語る(書店員が騙る)あとがきがなかなかでしたが、ストーリーの方はシリーズの最初の盛り上がりとなる3巻への繋ぎ(伏線)のような感じ。

  • 美味しいお話ですね。
    人が死ぬようなことはなく、安心して読める本です。主人公の只次郎さんの醸しだす雰囲気のおかげですね!
    次はどんな料理が登場するのかな?なんて楽しみにしながら読みすすめています。

  • 只次郎の家族や、ぜんやに訪れる客太刀を絡めての物語が展開。

    今回は殺しても死なぬようなお妙の義理の姉、お勝が風邪でダウンしたところから始まる。

    初めてスリをしたような貧そうな子供を家に置くことになったお妙。

    新しい客層が増える。
    市場の棒手振りなど、職人たち。
    セクハラには弱いお妙が四苦八苦。

    兄嫁の父親与力の柳井が登場。
    事件も種類が増える。

  • シリーズ2冊目。出てくる料理がどれも美味しそうで、こんな居酒屋が身近にあったらなと思う。
    美人の後家若女将に惹かれる人達が、この居酒屋に集まってくるが、中には違った感情を持つ人も。前作で襲ってきた隣の駄染屋や、それを唆した大家の婆さん、何やら怪しげな旗本、妻も妾もいる奉行所の与力とか。良い人達だけでは筋は面白く無いのかも知れないが、それにしても悪人らしき人の多いこと。

  • 小禄旗本の次男坊林只次郎は、鶯のルリオの後継のことで頭を悩ませていました。
    ある日、只次郎は、満開の桜の下で得意客たちと、居酒屋「ぜんや」の女将お妙が作った花見弁当を堪能。
    桜色の鯛茶漬け、鴨と葱の椀物、精進料理と、彩り豊かな料理が登場し、登場人物たちが織り成す人情小説第二巻。
    ほんわかしていて、とても良いです。

全55件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1977年、和歌山県生まれ。同志社女子大学学芸学部卒業。2008年、「虫のいどころ」(「男と女の腹の蟲」を改題)でオール讀物新人賞を受賞。17年、『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』(ハルキ文庫)で髙田郁賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞を受賞。著書に、『小説 品川心中』(二見書房)、『花は散っても』(中央公論新社)、『愛と追憶の泥濘』(幻冬舎)、『雨の日は、一回休み』(PHP研究所)など。

「2023年 『セクシャル・ルールズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

坂井希久子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×