ふんわり穴子天: 居酒屋ぜんや (ハルキ文庫 さ 19-4 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758440608

感想・レビュー・書評

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  • ちょっとハマってきた。
    今回も料理は美味しそうだし、お妙さんの謎解きも、さりげなくて嫌味がない。只次郎が奥手なのが心配だけど…
    佐々木様の不穏な動きも気になる。あと鶯をモノの様に扱い、泣かなくなったら終わり!みたいな所が本当に腹立たしい。只次郎もいたたまれない気持ちだろう。早く何を企んでいるのか、解決して欲しいものだ。


    23

  • 人情モノという点で言えば,本作が一番のような気がする。
    今作もハズレなし。とても面白かった。さっそく次巻を読まねば。
    あらすじ(背表紙より)
    寛政三年弥生。預かった鴬を美声に育てて生計を立てる、小禄旗本の次男坊・林只次郎は、その鴬たちの師匠役となる鴬・ルリオの後継のことで頭を悩ませていた。そんなある日、只次郎は、満開の桜の下で得意客である大店の主人たちと、一方的に憧れている居酒屋「ぜんや」の別嬪女将・お妙が作った花見弁当を囲み、至福のときを堪能する。しかし、あちこちからお妙に忍びよる男の影が心配で…。桜色の鯛茶漬け、鴨と葱の椀物、精進料理と、彩り豊かな料理が数々登場する傑作人情小説第二巻。

  • 居酒屋ぜんやシリーズ第2弾。
    お妙にお熱な只次郎、そしてそこにやって来る常連客やお勝さん、それにおえん夫婦。この人たちが生み出す雰囲気が本当にいいなぁ。
    新しく登場した柳井さんも、今後重要な人物として関わって来そう!ただのチャラ男でなく、醸し出す男前な空気がたまらない。
    色々と謎を残した今回のお話。次にどう繋がって行くのか、読むのが楽しみ。

  • 時代背景を変えたらここまで心象に残るかは分からないが、この時代背景だからこそできあがった小説

  • 時代小説の女性作者の本をよく読んでいるのだが、この坂井希久子氏の本は、初めてである。

    江戸時代の職業も沢山 小説に出て来るのだが、この本は、鶯の声を聞かせることを生業としている旗本の次男坊 林只次郎が、主役である。
    そして、彼は、居酒屋「ぜんや」の美人女将 お妙に、秘かな想いを抱いている。
    お妙は、美人で、料理が上手く、女性的であり、誰しもが、ちょっかいを出すので、只次郎は気が気でない所が又話が面白い。

    5話から構成されているのだが、最初の「花の宴」に桜鯛の黒ゴマ和えが、出て来るのだが、、、その変化に興味深々になってしまうほどである。

    それでいて、羽織裏にお金をかける江戸っ子気質に、只次郎の義理の姉 お葉には、亡き母の小袖を羽織裏に仕立て直して来てくれている父に、今までにない父の優しさを感じる一コマも、人情味あふれている。

    「鮎売り」
    こけて、鮎を傷物にしてしまった小娘の困っている様子を見て見ぬふりが出来ずに、お妙は、全部購入してやるのだが、、、「情けは人の為ならず」、、、その気っ風の良さに、店は、繁盛してしまう。
    傷物の鮎は、賄い用として鮎粥に。
    料理だけでなく、口やかましいお勝が、風邪をひいた時に欲しい物は、、、、

    「立葵」
    梅雨入りで、只次郎の母も、季節柄、寝込んでいるのを、お妙に鴨料理を作ってもらう。
    本の話ではないが、昔の農家の人は、家に鶏を飼育しており、お客が来た時にもてなす意味で、鶏をしめて献立におせたと、聞いていたから、お妙が、さっさと鴨を調理するのも、可能なのだろう。

    「翡翠蛸」
    何と綺麗な料理の名。
    昔の武士は、キュウリの輪切りが、葵の御紋に似ているために、食さない。
    キュウリをおろして調理するのをこの本で知って、今度試してみようと思った。
    お志乃の嫉妬と、つわり。
    女は強い。眉を剃りお歯黒に。

    「送り火」
    精進落としに、鰻なのだろうが、ここでは、少し安価な穴子料理。
    焙烙で芋がらをいぶして、霊を送り出す送り火の中でお妙の見たのは、、、、亭主だったのか、、、、、

    ふんわり穴子天を題名にしたのは、これだったのか?と、、、、思った。最後の鶯 ルリオの言い分の所は、なんだか楽しく読んでしまった。

  • 収録作品:花の宴 鮎売り 立葵 翡翠蛸 送り火

  • お志乃ちゃんの不安、分かる。
    お妙さん、お勝さん、おえんさんも、好き。
    男どもが頼りないにもほどがある。
    次巻、がっぷり四つに組ませてほしい。

  • 2017.09.16.読了
    星3.5かな

    本当に美味しそう。
    花の宴
    の中の鯛を黒胡麻と胡麻油で和えてあるのとか
    それをご飯に乗せて食べて、
    最後鯛のアラで引いた出汁をかけて食べるとか…
    たまらないです。
    やってみたいですね。

    鮎売り

    遠火で焼いた鮎や
    鮎かゆもいいけど
    奴 も美味しそう。
    薬味はしょうがとネギと茗荷の刻んだの
    濃口しょうゆに煮切った酒を混ぜて…

    立葵
    の 鴨三昧 食べた〜い!

    翡翠蛸
    の題名の
    蛸と
    すりおろしたきゅうりに三杯酢
    どんなものか、興味深々です。

    送り火
    の、精進料理も食べたいし、
    特に蓮の葉飯!
    穴子の天婦羅!
    あーあ
    お腹すいた。

    ルリオの声 聞いてみたいなぁ

  • 『居酒屋ぜんや』シリーズの第2弾。別嬪女将のお妙が作る彩り豊かな料理と、個性的な登場人物が読者を笑顔にさせる人情時代小説。
    美味しい料理は人を幸せな気持ちにさせる。特にそれが旬の食材で、ましてや工夫された料理ならば、只次郎のように「うっまぁい」と唸りたてまくりたくなる。ストーリーに大きな変化はない本作だが、姿を消した又三はなんか不穏だ。

  • 2017.6.4.

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著者プロフィール

1977年、和歌山県生まれ。同志社女子大学学芸学部卒業。2008年、「虫のいどころ」(「男と女の腹の蟲」を改題)でオール讀物新人賞を受賞。17年、『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』(ハルキ文庫)で髙田郁賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞を受賞。著書に、『小説 品川心中』(二見書房)、『花は散っても』(中央公論新社)、『愛と追憶の泥濘』(幻冬舎)、『雨の日は、一回休み』(PHP研究所)など。

「2023年 『セクシャル・ルールズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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