望月のうさぎ (ハルキ文庫 し 11-5 時代小説文庫 江戸菓子舗照月堂)
- 角川春樹事務所 (2017年7月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758441049
感想・レビュー・書評
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京都の二条家に仕える武家の出のなつめ。
幼い頃に二親を亡くし、兄も消息不明。
親の死因に不審なことも多かったことから、親戚からも引き取るのを嫌がられ、
江戸に住む了然尼と暮らしている。
まだ何者にもなっていないなつめは興味や好奇心が旺盛で、
色んなものになりたがっては、一月二月で興味を失い、
未だなににもなれていない。
最初こそ、そんななつめに眉をひそめかけたものの、
まぁまだ15歳かそこらだもんなぁ、
一番身近にいる、手本となる大人が凛とした了然尼であれば、
あんなふうになりたい、という気持ちを持つのは当然だし、
それがオトナになっていくってことなんだろう……と
なんだか寛容さを覚えていました。わたしも大人になったもんです。
今よりもっと距離のあった京都と江戸で、
同じ菓銘でありながらも、全く違うお菓子があり、
たまたまそれが、なつめの両親を思い出す縁のお菓子(菓銘)で、それを捜し求めていたなつめは、運命的な出会いをします。
少し、ご都合主義な感じも受けなくはないけれど、
きっと人生が動くときは、そういう巡り合わせがあるものなのだろう……と信じることにします。
これはきっと、なつめの成長譚。
まだ幼さの残るなつめがどんなふうに成長していくのか、願いを叶えることはできるのか。
続きが楽しみな物語とまた出会えました。 -
L 江戸菓子舗昭月堂シリーズ1
途中離脱。女流作家のシリーズモノ!と勢い勇んで手に取ってみたが、終始苦痛。鯛焼きがでてきたところで終了。
「わたしやりたいこと頑張ります!」って、時代小説でそういうのが似合うのは「アネサン」呼びが似合うような人物像だけだと思うんだけど。
やりたいことじゃなくて、与えられた仕事をまずは頑張れよと思わずにはいられない。
それに親仕事に接して「やりたい!」ならまだしも、忘れられない菓子があるってだけが理由づけで和菓子職人というのは少々安易だと思う。それを簡単に実行できる時代でもないだろ。読んでるうちに腹が立ってきた。 読み始めから、実家の不幸を背負ってるのにめちゃくちゃ恵まれた生活してるのにも違和感。和菓子のおつかいって…。 -
他の方のレビューが結構厳しい。
私は単純にものを考えてしまうから、まあまあ面白かった。
「最中の月」という餅菓子はとても美味しそう。
私もぜひ食べたい。
照月堂の市兵衛さんは誰にでも優しい仏様のような人だ。 -
不幸な出来事によりお寺に引き取られることになったなつめが幸せな思い出が詰まった菓子を再現すべく菓子屋の子供達に手習いを教えつつ菓子職人を目指す。
主人公に愛着が湧かないのが致命的で続編に手を伸ばすか迷うレベル。 -
自覚したなつめもですが、他のキャラも身勝手な人が多くてあまりキャラを好きになれませんでした。
職人を目指すにはあまりに困難が多いはずなのに、周りの人の優しさと運の良さだけで上手く話が進むのもちょっと気になります。 -
今まで読んだ和菓子職人や料理人は皆はじめから職人だったので、職人ではないところからスタートするのはなんだか新しい。
主人公であるなつめのあれこれやりたい病は身に覚えあり…そんな彼女がこれからどうやってお菓子に向き合って成長していくのか、楽しみです。
郁太郎がいい子すぎてちょっと心痛い…
亀次郎の弟感が全開なのかわいいです。 -
7歳の時の火事で両親を失い、兄も行方知れずとなっ
た瀬尾なつめは、生まれ育った京を離れ、江戸で母代わり
になる了然尼と暮しています。家族との思い出の餅菓子
「最中の月」をまた食べたいと願うなつめは、神社で菓子
舗「照月堂」の御隠居と出会ったことから、次第に菓子作
りに惹かれていき…。江戸の町で菓子職人を志す15歳の
少女の成長を描いた時代小説です。次々と美味しそうな
お菓子が登場する人気シリーズの第1作。(全10巻) -
安吉イラつく